吉住健一・地域活動レポート

 新宿区議会議員、東京都議会議員としての地域活動を掲載しています。

3月10日 東京大空襲

2012年03月11日 | 15.地域活動・2010~14

P1000140   今から67年前に米軍による無差別空襲攻撃が行われました。10日未明から東京を襲った爆撃隊は多くの民間人の命を奪いました。
今でこそ、無差別爆撃は戦闘状態でも国際的に批難される行為ですが、米軍内でも反対論があるなかで当時実行された大空襲でした。
 今日は当日奇跡的に助かった門前仲町の方の体験談をお聞かせいただきました。

 「10日の未明に空襲警報ではない警戒音が聞こえ、そのうち屋根の上を飛んでいく飛行機の爆音が聞こえたのでおかしいなと思っていたら、繰り返し聞こえてきたので外に出たら焼夷弾が落とされていて火災が発生し、騒ぎになっていた。自分の家は土建屋で頑丈な防空壕があったので近所の人たちも避難してきていた。そのうち、火勢が強まってきたので蒸し焼きになるということで、外に避難することにした。外に出ることを躊躇していた近所のおばちゃんと娘さんを自分も逃げるからと説得して外へ避難した。すでに町中が火に囲まれ、行き場を失い自宅の防空壕に戻った。木製の戸板の隙間からは火が漏れてきた。鍵穴からはバーナーの様に火が吹き出してきていた。徐々に酸欠状態になり、防空壕に運ばれていた布団に顔を埋めると思ったより酸素が含まれていて気持ちよくなった。気が付くと周りが静かになっていて、外を見ると焼け終わっていた。朝になると生きながらえた近所の人々が防空壕に戻ってきたが、説得して外へ避難したおばちゃんと娘さんは戻って来なかった。悪いことをしたと後悔し、空襲の話はしないで生きてきたが、地下鉄工事で防空壕が発掘され、蒸し焼きで亡くなった遺体が発見されたニュースを知り、まだ見つかっていない防空壕内の遺体があるのではと思い、体験談を伝えることにした。」
 長い引用になりましたが、概要はこうした話でした。良かれと思ったこともその通りにはいかない場合もあると思いますが、長い生涯を、辛い思い出を背負って生きてきた先輩のお話を伺い、自分はこれから政治家として何をし、どんな結果を生み出すのか、熟慮と決断をして、その結果を背負っていかなくてはならないなと仕事
の重大さを再認識させていただきました。


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