新 ゆ~ゆ~日記

一生独身を決めた男の自堕落で貧乏くさい日記

かぜたちぬ

2013年07月26日 | 映画
宮崎駿監督の5年ぶりの映画「風立ちぬ」を観てきました。

あらすじ:「大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう。」

ハッキリ言って、観る人によって評価は大きく違うと思います。
良い映画と言う人もいれば、駄作と言う人もいるでしょう。
前者は映画の内容、趣旨を理解して観に行った人。後者は「今までの宮崎駿アニメ」を期待して観に行った人。と別れるんじゃないかな。
クライマックスやハラハラドキドキの展開もなく、淡々としたストーリーで、正直、子供が観るアニメではありません。完全に大人向けとなってます。
強いて言うなら、不謹慎かもしれないけど地震のシーンが迫力とリアリティーがあって一番印象に残ったくらい。

宮崎アニメ、というかジブリのアニメを観るとき、いつも気になること。
それは、主要キャラの声を本職の声優ではなく、俳優・女優をはじめとする芸能人にやらせること。
必ずいるんですよ、納得いかない配役。
なんであんなのにやらせるのか?もしかして断り切れない大きな力でも動いてるのか?と思わされます。
競輪の選手を競馬の馬に乗せるくらい畑違いでしょう。
今回で言うと、主役の庵野秀明さん。
賛否両論あると思いますが、自分的には100%「否」ですね。
へったくそです。本職ではないから仕方ないけど、それを差し引いても下手。
抑揚をつけようと変に無理してる感じも気になるところ。
あれだったらジャニーズのタレントにでもやらせた方が、まだ少しはマシかもしれないです。

気になるといえば、飛行機などの効果音を人間の声でやってるみたいですが、明らかに口でププププププとかブルブルブルブルブルブルとか言ってるのか気になって気になって・・・。
斬新と言えば斬新と言えるかもだけど、普通に飛行機の音を使ったほうが良かったのでは??
後から効果音は人間の声を使ってたと知ったら「えぇ~っ」と驚いたかもしれない、いや、知らなくてもあれは人間の声と気付いただろうな。

あとこの映画、「零戦を美化し戦犯国としての反省がない」との批判を受けたみたいですが、そんなことはないと思います。
自分が日本人だから日本贔屓をするわけではなく、宮崎監督が言うように、あの時代、飛行機を作ろうと思ったら、軍用機を作るしかなかったらしいです。
そして堀越二郎はただ単純に美しい飛行機が作りたかった。結果的にそれは零戦となってしまうわけですが・・・。
生まれた時代が悪かったと言えばそれまでだけど、それだけで終わらせるわけにはいかない作品だと思います。

最後に、映画を観た後、率直に思ったこと。
それは「この映画は、宮崎監督が、映画監督である前に一人の人間である「宮崎駿」のために一番観たい映画を作ったのかも」。


この映画の評価
10点満点中 …「宮崎駿監督の映画に点数などつけられません」
妥当だと思う鑑賞料金 …「同上の理由で決められません」