新 ゆ~ゆ~日記

一生独身を決めた男の自堕落で貧乏くさい日記

てがみ

2006年11月23日 | 映画

東野圭吾原作の映画「手紙」を観た。
この作品を観ての率直な感想は、とてもリアルな話だと思う。けして他人事ではなく、いつ、どの家族でも、この映画の登場人物のような境遇になってしまってもおかしくないだろう。
僕には今現在、親も兄弟も配偶者おらず、もちろん子供もいない天涯孤独なので、一瞬他人事のように思えた。だけど、もしかして万が一、何かの間違いで結婚できたとしたら、相手に家族がいた場合、そうなってしまう可能性はある。僕が人を殺してしまって、相手方をそういう境遇にしてしまうかもしれないということも含めて。

時には逃げてはいけない現実がある。
時にはつらくても向かい合わないといけない現実がある。
この映画は、そんな大事なことを教えてくれる映画だと思う。

僕は、この映画の原作者である東野圭吾の作品が好きで、今まで何冊も小説を読んだし、映画も観ているが、サスペンスやファンタジーといった作品が多く、こんなリアルな作品を書いていたとは意外だった。
ちなみに、僕が東野作品で一番好きな作品は「仮面山荘殺人事件」。
あっと驚く結末で、最後ああなるとは予想もつかなかった。
是非これも映画化してほしいなぁ。
そして、強盗のジンの役は、津田寛治さんを強く希望。ぜったいハマり役になること間違いなし!

話は逸れてしまったが、どこの国でも、差別といったものは、なかなか簡単に無くならないだろう。
人殺しの弟であるというだけで、差別や不当な扱いを受け、夢も、愛する人との結婚もダメになり、それでも生きていかなくてはならない。もし僕もそういう立場になってしまったらと思うと、絶望的な気持ちになるし、やはり自暴自棄になると思う。
主人公の勤め先の会長が言った言葉。「差別を受けるのは当たり前のことなんだよ」。
何てこと言うんだこの人は!?と思ったけど、よくよくもっと話を聞いてみれば、すごく良いことを言う人だ。この人がいなかったら、この作品はかなり違う展開になるなぁ。
おかげで最後は・・・。
いや、あまり書くと面白くなくなるのでやめておこう。
あとは、自分で映画を観てください。最後はきっと、泣けます。