黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

鶴林寺~播磨の法隆寺・刀田の太子~その3

2009-06-28 12:41:58 | 聖徳太子巡礼
鶴林寺の有名な仏像に「アイタタ観音」の愛称のある聖観世音菩薩像が宝物殿に安置されています。
「アイタタ」とは「あー痛たたーっ!(><)」なんですが、この名の由来はその昔この仏像を盗んだ男が、
金銀でできた仏像だと思って見たところ銅造だったもんで腹を立ててかなづちで壊そうと(←無茶しよんな)
腰のあたりを打ったところ仏像が「あー痛たたーっ!刀田へ帰えろー」と声を発したため、
泥棒の男は驚いて(←そりゃ驚くわな)この仏像を鶴林寺へ返して改心したという伝説です。
ちなみにこの聖観音像の腰が大きく曲がっているのはかなづちで打たれたからだそうです。
実はこの仏像は実際に戦後に盗難にあっていまして、発見されて戻りましたが一部が損壊していた
そうです。犯人は伝説のように改心したんでしょうかね?

白鳳時代の面影を残す重要文化財の聖観音立造は表情こそ違えど法隆寺の「夢違観音立像」に通じる
ものがありますね。この聖観音像の写真はこちらで。

では、境内の写真をもう数枚。大講堂・常行堂・三重塔。


太子殿から三重塔を見る。


鉄扉が「卍」ですね。特注かな?


あとは新薬師堂にウインクする仏像としてトリビアの泉に出た摩虎羅(まごら)像などもある鶴林寺。
そう大きくない境内ですが見所満載なのでおすすめです。

さて夏本番も間近いですが、夏の酷暑の中での寺院参拝は相当キツいのでしばらくは控えます。
秋には再び西国三十三所のご開帳も順次行なわれます。しばし休止です。

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鶴林寺~播磨の法隆寺・刀田の太子~その2

2009-06-22 20:34:08 | 聖徳太子巡礼
昨日の続き・・・

鶴林寺の境内はさして広くはないですが、多くのお堂があってそのいずれもが、重要文化財や
兵庫県の指定文化財などになっています。

天台宗では重要なお堂である常行堂。平安時代の建立。重要文化財。


護摩堂。室町末期、永禄6年(1563)建立。重要文化財。


鐘楼。室町中期、応永14年(1407)建立。重要文化財。


三重塔。室町時代建立。県指定文化財。


観音堂。江戸中期、宝永2年(1705)建立。


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鶴林寺~播磨の法隆寺・刀田の太子~その1

2009-06-21 12:17:18 | 聖徳太子巡礼
書写山を出て車を走らせること約40分で兵庫県加古川市にある鶴林寺に到着しました。
聖徳太子霊場第27番、その他にも新西国霊場や西国薬師霊場の札所でもある鶴林寺は
その寺宝の多さから「播磨の法隆寺」「西の法隆寺」とも異称される古刹です。寺伝では
聖徳太子がこの地に隠遁していた高句麗の僧恵便のために建立した寺と伝えますが、
この地に太子の領地があったようで太子との縁が深い地域です。

鶴林寺のまわりは「鶴林寺公園」として整備もされていて、門前の駐車場も無料で駐車できます。
その駐車場から歩いてすぐのところに三重塔と山門が見えます。僕は平成18年以来3年ぶり2回目の参詣です。


山門から直進すると大講堂(本堂)です。ご本尊は60年に1回のみご開帳される薬師如来。
室町時代、応永4年(1397)の建築で国宝です。堂内は入堂可。


この大講堂から見て左手に桧皮葺の「太子堂」があります。平安後期の建築でこれも国宝です。ご本尊は釈迦如来。


ここでこの日2回目のラッキー。実はこの太子殿は普段は入堂できませんが、6月末日まで
開扉されていて拝観が可能でした。前回参拝の時はもちろん入れなかったので、今回はじめての
拝観となります。今では肉眼では確認できない壁画があり、また右手の壁には御簾が掛けてありましたが、
その壁には太子の尊像が描かれているそうで中世には信仰の対象となっていたそうです。
その壁画の尊像も重要文化財です。この他にも境内やには多くの文化財指定の寺宝がありますが次回に。

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播州 圓教寺 ご本尊ご開帳参詣

2009-06-19 23:10:21 | 西国三十三所巡礼
今日は兵庫県姫路の西国第27番書写山圓教寺と加古川の聖徳太子霊場第27番刀田山鶴林寺へ
参詣しました。高速道路のETC割引の一律1000円を利用して車での参詣です。

圓教寺は2年前の平成19年4月末日以来2回目です。今回は札所本尊のご開帳にあわせての参詣
になります。前回参拝の記事、その1その2その3と合わせてお読みください。

今回は圓教寺と鶴林寺とも予期していなかったラッキーなことがありました。まず今日は圓教寺から。
前回は道に迷いながらたどり着いた書写山ですが、今回は2年ぶりとはいえ多少の記憶のおかげで
迷うことなくスイスイで到着。ロープウエイにて山上の圓教寺に入山しました。
ロープウエイの山上駅から伽藍まではしばらく山の坂道を歩くので、気温が上昇した今日は
けっこう汗が出るほど暑かったですね。15分ほどで観音札所の摩尼殿に到着。下から見上げる
舞台造りの足組みは圧巻です。


摩尼殿本尊は「六臂如意輪観音坐像」。摩尼殿は大正10年に焼失しているので現在のご本尊は
昭和8年製作のものになります。年に1回のみのご開帳以外は秘仏になっているためか、
製作から80年近くになるのに比較的新しい仏像に見えました。脇侍として重文の四天王像が安置されております。


さて、摩尼殿を出て今しばらく歩くと常行堂・食堂(じきどう)・大講堂の三堂からなる伽藍に入ります。
坂道を歩いて、やがて視界に入る三堂の重厚感に前回同様圧倒されました。


ここで本日ひとつめのラッキーなこと。大講堂は普段は堂外からの拝観になりますが、この6月中に
限って外陣に入堂できて、ご本尊の釈迦三尊像(重文)が間近で拝観できました。また今年の3月に
新たに重文指定を受けた開祖性空上人像も拝観できます。この像は頭部に性空上人の真骨ではないかとされる
遺骨が納められているのが、この度発見され話題となりました。

食堂は入堂できます。二層造りで二層目からは右手の常行堂の屋根の瓦を目前で見ることができます。


常行堂の軒が食堂の軒に食い込んでいる部分。すごいね。


食堂の蔀戸から見る常行堂。眺めがいいです。


三堂の近くにある鐘楼は鎌倉末期のものでこれも重要文化財。


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円満院門跡 その2

2009-06-16 19:06:14 | 近畿の寺社
重要文化財の宸殿に面して三井の名庭と言われる庭園があります。これも国の名勝史跡指定を受けています。
室町将軍足利義政に仕えた同朋衆の相阿弥の作庭と伝えられています。




宸殿内から庭園を望む。池には天然記念物のモリアオガエルが毎年、産卵に訪れるそうです。


宸殿東側の庭園。釣鐘がアクセントになっていますね。




宸殿西側にある本堂との渡り廊下。


さて2回にわたって円満院を紹介しましたが、これらの建物・庭園も競売の上、落札されてしまいました。
今後はどうなるんでしょうか? 僕が訪れたこの日は拝観もできたし、庭では庭木の手入れもされていたし、
帰り際には受付にご住職かと思われる僧侶も座っておられて拝観のお礼を述べるとにこやかに返礼も頂きました。
なんとかこれらの文化財が守られ保存される方向になることを願います。秋の紅葉を見てみたいですね。

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