ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

暗くなるまで待って

2021年12月23日 | 映画みたで

監督 テレンス・ヤング
出演 オードリー・ヘプバーン、アラン・アーキン、リチャード・クレンナ

 舞台は家の中。主たる登場人物は5人だけ。これだけで大変に面白い映画になっている。
 麻薬がらみの犯罪に巻き込まれたご婦人が悪人どもにだまされ、殺されそうになる。ハラハラドキドキのサスペンス映画の佳品となっていた。
 サムは空港で見知らぬ女に人形を預けられる。彼はそれを家に置いて仕事に出かける。サムの留守中、妻のスージーが一人でいるとサムの友人が来る。刑事という男も来る。そして見知らぬ老人や中年の男も。彼らは人形を探しているらしい。そうこうするうちにサングラスの悪人がスージーを脅して人形の有りかを聞き出そうとする。スージーの命まで奪おうとする。スージーは手伝いの少女グロリアの手を借りながら戦う。スージーは全盲なのだ。
 ごく普通の若い主婦が凶悪な犯罪者に立ち向かう。しかも彼女は目が見えない。最近、事故で視力を失ったから全盲者の行動には不慣れ。なにごとも手探り。座頭市ではないのだ。絶体絶命。なんとか盲人ならではの有利な条件をつくりだして戦う。
 主役をヘプバーンにして成功した映画だ。細く弱そうで、なおかつ目が見えないスージーは悪者をいかにやっつけるか。これが、この映画の見どころ。これがエイリアンのリプリーのシガニー・ウィーバーやターミネーターのサラ・コナーのリンダ・ハミルトンなら、悪人をやっつけてしまいそうだから、なんの心配もいらないからハラハラしないだろう。ヘプバーンだからハラハラするのである。