ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

アードベッグ ビーフシチュー

2021年02月14日 | 料理したで

 数か月前、テレビの紀行番組でスコットランドはアイラ島が紹介されていた。レポーターのねえちゃんが訪ねた家が代々ウィスキーの蒸留所務め。アイラ島は閑散とした島で産業といえばウィスキー造りぐらいしかないんじゃないかな。その家はオヤジがアードベッグで息子がボウモアで働いている。親子でおれの造るウィスキーが最高なんて自慢しあっておった。ワシ(雫石)はアードベッグもボウモアもラフロイグも好きだな。スコッチの中でもアイラモルトは好きな方だな。この家の夕食。なんぞコトコト煮ておった。どうもシチューらしい。仕上げにアードベッグをひとたらししてた。こりゃいつかマネしてやろと思うておって、このたびマネしたわけ。
 あの番組ではなんのシチューやったか忘れたが、ビーフシチューにする。牛のすね肉のかたまりを切って、フライパンで焼く。肉の表面に焦げ目をつけてうま味をとじこめる。焼いた肉は取り出す。肉のうま味が残ってるフライパンでミルポア用の野菜を炒める。にんじんと玉ねぎをフードプロセッサで細かくしたもんや。小麦粉を加える。じっくり時間をかけて炒める。玉ねぎがアメ色になるまでな。そこにホールトマトと赤ワインを加えて煮つめる。
 さて、これをフライパンから煮込み用の鍋に移す。ここにビールを500ccほど入れて肉を入れて煮込む。ビールは肉をやわらかこうするな。コトコトと肉がやわらこうなるまで煮る。肉がやわらかくなったら取り出す。煮汁をシノワに入れてこす。充分に絞り出そう。シノワに残った絞りカスはフードプロセッサにかけて粉砕して汁にもどす。肉を鍋に戻し、具の野菜、ペコロス、にんじんを入れてしばし煮込む。ここでなんちゃってデミグラスソースを入れる。ワシはゆえあってデミグラスソース絶ちをしとる。とんかつソース、醤油、オイスターソース、味醂、ケチャップを混ぜ合わせたらデミグラスソースみたいな味になりよる。
 仕上げにアードベッグ10年を100ccほど入れる。皿に盛って、ゆでたいんげんを散らせばできあがり。うん、アイラモルト独特な強いピート香がアクセントになってうまい。
 赤ワイン、ビール、ウィスキーと、水は一滴も使わんと酒だけでできたビーフシチューや。食べ終わったあともアイラモルトの香りがそのへんにいっぱい。スコッチ好きとしてはたまりませんなあ。