ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

シービスケット

2024年08月14日 | 映画みたで

監督 ゲイリー・ロス
出演 トビー・マグワイア、ジェフ・ブリッジス、クリス・クーパー

「男の復権ドラマ」冒険小説のファンであるワシの大好きなパターンである。心に、身体に、キズを持った男が、苦心の末、コトを成し遂げて復権する。うう、ええな。この映画もそうである。男3人と一頭の馬の復権のドラマである。
 1930年代大恐慌の時代。不景気の風が吹き荒れ人々の心はすさんでいた。
ハワードは自動車販売業で成功したが、息子を事故で亡くし妻にも逃げられ失意のどん底。そんな時、競馬に魅力を感じる。
 スミスは馬が生きがい。野生の馬を調教できるが、仕事に恵まれなくて、森で一人で暮らしている。
 レッドは職を求めているがうまくいかない。ボクシングをするが勝てない。片目を失明する。ジョッキーになって競馬をするが鼻の差で負けてクビになる。
 シービスケットは競走馬としては小柄で、むらっけのある馬。競馬で勝てる馬ではない。
 この3人と1頭が出会う。ハワードが馬主、スミスが調教師、レッドが騎手。シービスケットとレッドは地方競馬で勝利を積み重ねていく。
 東部の大金持ちの三冠馬とのマッチレースを希望するが、三冠馬の馬主は「西部の田舎の草競馬の小馬の相手なんかできるか」バカにされる。で、結局三冠馬とのマッチレースは実現するが・・・。
 その後シービスケットは、日本でいえばシンザンやオグリキャップ、ハイセイコーみたいなアメリカの人気馬になる。
 シービスケットはいろんな人の希望の象徴だ。ハワード、スミス、レッドの三人はもちろん、東部に比べて貧しい西部の人、そして大恐慌に打ちひしがれたアメリカの、希望と復活の象徴がシービスケットなのだ。
 前半は少々退屈だが、後半は面白く感動させられる。いい映画だった。