ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

2019年の阪神タイガースをふりかえる

2019年10月28日 | 阪神タイガース応援したで
 金本監督の昨年は最下位だったから、監督が矢野に替わってAクラス3位になったのだから、まあ、良しとするべきであろう。蛇足シリーズに出てDeNAに負けて日本シリーズどころか巨人と対戦すらできなかった。これで良かったのである。万が一、シーズン終盤、火事場のバカ力というか、ツクツクホウシが鳴きだして大あわててで夏休みの宿題やってる劣等生みたいに3位にすべりこんだ阪神タイガースが、棚から巨大ボタモチ的に日本一になったとて、いっこもうれしくない。そんなことをすれば1年間の戦いはなんだったんだということになる。戦略として、4位と3位をうろちょろしながら、力をセーブして、9月にチーム力がトップに持っていったチームが日本一ということになる。これでいいのか?
 で、結局、パリーグ2位のソフトバンクが巨人を一蹴して日本一になった。こんな日本シリーズなにがおもしろい。ラグビーの日本VS南アフリカの方が圧倒的に見ている人が多いだろう。事実、小生もラグビーの方を見ていた。
 巨人優勝の要員の1つが丸佳浩の新加入だろう。これは巨人の戦力を上げることよりも広島の戦力を削ぐ結果となった。巨人は中日のホームラン王であったゲレーロやDeNAの守護神であった山口を獲得した。かような他チームの主力選手を引き抜くことはセリーグ全体の戦力低下となったわけで、このたびの日本シリーズや交流戦にそれは現れている。全体としては日本のプロ野球の質の低下となる。ルールに抵触はしてないが巨人が日本のプロ野球の未来を削いでいるのだ。
 それはさておき、今年の阪神タイガースだ。取り組みべき課題がはっきりと見えた1年であった。守備力と得点力。この二つの現状を変えない限り、来年も今年と同じである。
 まず、守備力。これは内野の守備のミスエラーが印象として残る。守備の名手大和の流出の後遺症がでたのであろう。これは練習訓練以外に特効薬はない。各員キャンプでじゅうぶん練習すべし。それにポジションを固定することも大切であろう。大山が3塁なら3塁、糸原が2塁なら2塁、木浪がショートならショートに固定すべきであろう。
 得点力、これは一朝一夕には解決できないであろう。理想は生え抜き日本人長距離バッターである。大山を育てようとして開幕から4番に据えて育てたが、まだまだその任には至らず4番の座をマルテに奪われた。球団としてもなんとかしなければと、ソラーテをとったが使い物にならなかったのはご承知のとおり。
 4番打者降格の大山ではあるが、ホームラン数打点ともチームトップである。いわれるほど大山は打ってないことはない。ただ勝負弱く、効果的な打撃が印象に残ってないだけだ。8対1で勝ってる試合の8回ぐらいに1発打って8対2にするホームランなら打てるが、0対2で負けててスリーランを1発打って3対2にするホームランは打てない。
 得点力不足を補うために外国人選手に頼るのは最も手っ取り早い手段であろう。しかし、昨年のロサリオや今年のソラーテで判るように、当たり外れが大きく外れならば、ただの役立たずにしかならない。阪神の外国人選手、特に野手はバースとマートンで外国人選手運を使い果たしているのだ。外国人選手の打撃に期待するのはもうやめた方がいいだろう。
 投手力に関しては、とりあえず合格といっていい。先発投手はともかくとして、リリーフ陣の防御率は12球団1である。岩崎→ジョンソン→藤川の鉄壁のリリーフ陣はかってのJFKを彷彿とさせる安定感であった。
 シーズン序盤はドリスが守護神役を務めていたが、不安定なところがあり、藤川が守護神となったが、一度ファームに落ちて、再度昇格してからの守護神ぶりはさすが藤川である。あと岩崎の働きも大いに評価されてしかるべきであろう。今年新加入のジョンソンも抜群の防御率を誇ったが、ときどき体調不良でお休みなるのは不本意である。それにジョンソンは、球団は残留交渉をしているが、本人は来期のことは未定といっている。
 先発で思わしくない結果となったガルシアは、後半、それも最終盤になってリリーフにその能力を発揮した。それに彼は2回3回とロングリリーフが出来るのが頼もしい。ガルシアがリリーフに回ればドリスは立場が微妙になる。外国人選手ワクの関係でドリスは来期はタイガースにいないかもしれない。とはいいつつも、マシスンのいない巨人にドリスが加入すれば、やっかいなピッチャーとなろう。今年の陣容に桑原の復活ジョンソンの残留となれば阪神のリリーフ陣は盤石となる。
 問題は先発である。シーズン当初は先発投手余りといっていい状況であったが、終盤になって西、青柳ぐらいしか頼りになる先発投手はいなかった。望月、高橋の成長と岩貞、岩田、秋山の復活が望まれる。

2,019年阪神タイガースMVP

野手 近本光司 「新人としては」という枕言葉がついて評価された1年だったが、来期はこの枕言葉はつかない。まずは3割を目指すべき。

投手 岩崎優 すばらしい防御率。いついかなる時でももくもくと投げる。チームにとってこんなありがたいピッチャーはいないだろう。