ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

日本の七十二侯を楽しむ -旧暦のある暮らし―

2023年07月07日 | 本を読んだで

 白井明大 文   有賀一広 絵    角川書店

 日本は豊かな国だ。食糧もエネルギーも輸入に頼っているとはいえ、本書を読むとそのことがよく判る。
 日本には春夏秋冬四季がある。自然が四季おりおりに千変万化して、目耳口この国に住まう人々の五感を楽しませてくれる。
 立春、雨水、啓蟄、春分、晴明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の二十四節季。それぞれに初候、次侯、末侯があり合計七十二侯。1年をこれだけ細かく区分わけして、それぞれの季節季節ならではの花鳥風月が楽しめる。花鳥風月だけではない、食べ物もその時その時の旬がありおいしいモノを最もおいしく味わえるのだ。
 素晴らしいことに、この日本の七十二侯のめぐみは、士農工商四民全てに平等に与えられるのだ。空の月を愛で飛ぶ鳥を愛で花を愛でることはだれでもできる。
 日本人の基礎教養として読んでおいてもいい本だ。