ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

ダンスウィズミー

2019年11月25日 | 映画みたで

監督 矢口史靖
出演 三吉彩花、やしろ優、chay、三浦貴大、ムロツヨシ、宝田明

 タモリだったかな「ミュージカルって恥ずかしくないか。とつぜん歌って踊りだすんだから」確かにそういう面もあるだろう。「サウンド・オブ・ミュージック」のような名画でジュリー・アンドリュースみたいな名人がやるのならともかく、真面目な顔してしゃべってたヤツが、とつぜん立ち上がって歌いだすんだから違和感ありまくりである。ま、インド映画までいってしまうと、あれはあれで面白い。落語の「豊竹屋」は浄瑠璃大好きなだんさんが、なんでもとつぜん浄瑠璃にしてしまう。その面白さがキモの落語であるが、 そのミュージカルのおかしな所をそのまま映画にしたのが、この映画である。
 一流企業に勤める鈴木静香はミュージカルが大嫌い。ある日、静香は姪といっしょに遊園地に行った。そこで姪のつきそいで、あやしげな催眠術師の小屋へ入る。サクラと思われる女に玉ねぎをりんごだといって食べさせていた。姪はミュージカルをやりたいと催眠術師にリクエスト。この催眠術が静香にかかってしまう。それから音楽が耳に入ると、静香はとつぜん歌って踊りだす。会議の途中でも、レストランでデートしてる時でも。特にレストランでは大暴れ。店を盛大にぶち壊して、多大な弁償金を請求される。こんなんじゃ普通の生活ができない。心療内科に診てもらうが、かけた催眠術師に術をといでもらうしかないといわれる。
 こうして静香はサクラをやっていた女と二人、催眠術師を追う旅にでる。途中でおかしなストリートミュージシャンの女と知り合ったりして旅を続ける。
 ミュージカル大嫌いな主人公の映画であるが、主人公たる静香はいたるところで歌いまくり踊り狂う。だから、この映画、立派なミュージカル映画となっているて、矢口監督お得意の破天荒なコメディ映画に仕上がっている。
 なぜ静香はミュージカルが嫌いになったのか、子供のころの出来事がトラウマになっているのである。本人にとっては困った状況であるが、結果として彼女はトラウマを克服したのである。めでたしめでたし。
 主役をやった三吉彩花が魅力的。だまって立っておれば美人。動き出すとコメディとなる。それに宝田明。おん年85歳。これで歌って踊るんだから、その元気さにびっくり。実に楽しい映画であった。