『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

いわき市暮らしの伝承郷 その3

2007年03月11日 | 歴史
いわき市暮らしの伝承郷には、「お人形様」が展示されている。

大きさは2メートル強、杉や竹で人形の骨格を作り、
それに藁で肉付けをし、さらにその上から杉の葉で体全体を覆い、
最後に、厳(いかめしい)しい形相の目鼻を紙に描き、
それを顔面に張り付ける。

この「お人形様」は伝染病などの災いが集落に入ってこないように、
集落の入り口に当たる道の傍らなどに立てられていたという。
また、各家の門口などにも
小さな「お人形様」が立てられることがあったともいう。

「お人形様」を建てるという習いは現在、
いわき市内ではほとんど見られなくなってしまったが、
遠野町入遠野地区などで、ほんのわずかに残されている。

もう随分前のことになるが、
遠野町入遠野の東山地区に
「お人形様」の調査のために伺ったことがあった。
「お人形様」の製作が無事終了した後、うどんを御馳走になった。
うどんはその家のお祖母さんの手作りで、
前日から用意し、生地を一晩寝かせ、
茹で上げたばかりのものだった。
「このあたりでは、これが一番の御馳走だよ」
と、ジュウネン(エゴマ)のたれで、
風味豊かなうどんを食べさせてもらった。
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