『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

陰暦1月14日  木まじない  成木責め

2009年02月25日 | 伝説
天保12(1841)年に、いわきの地に生まれ、
大正元(1912)年に没した
大須賀筠軒(おおすが いんけん)が、
明治25(1892)年に書き記した
『磐城誌料歳時民俗記』(歴史春秋社刊)を
今回もまた、紐解くこととする。

さて、『磐城誌料歳時民俗記』の陰暦1月14日の項には、
次のような記述がある。

十四日 農商家ノ童子、小斧ヲ持、
木厭當(キマジナイ)セント家々ヲ廻リ、
梨、柿、柚、柑類ノ樹ヲ斧ニテ打チ、
なるかならぬかトイフテ責ル。
傍ヨリ、なりもうそうなりもうそうトイフ。

これを現代的な表現に改めると、
次のようになるかと思う。

陰暦1月14日 農家や商家の子どもたちが、
小さな斧を持ち、
木まじないしましょうと言いながら家々を廻り、
梨の木や柿の木、柚、柑橘類の木を斧で打ちつけ、
「実をたくさん付けるか、付けないか」
といい、木を責める。
すると、傍らの子どもが木に代わって
「たくさんの実を付けます」という。
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1 コメント

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木まじない (Unknown)
2011-01-13 15:38:19
 小さいときに柿の木に鉈の傷が着けてあった事を覚えています。枝が伸びきった時には効果が有りそうですがこの時期では効果は期待できないと思います。本当に効果が有ったのでしょうか。撚枝・環状剥皮・断根などで生長を抑制するとかなり花芽の着生が増加します。昨年ブドウにノコギリで傷を入れましたので、楽しみにしています。
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