Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

読後録:1日5分の口コミプロモーションブログ

2004-07-03 | ◆読んでみた
ブログ初心者なので「1日5分の口コミプロモーションブログ」を読んでみました。

古民家の再生を手掛ける株式会社鮫島の例を中心に語られるブログ活用術にはブログの持つ力を実感させられます。もちろん、ブログ登場の背景やツール類といった基本的な紹介もありますが、随所にブログを他のコミュニケーション・ツールやメディアと比較しながらブログを定義しようとしているところが、一見判りにくいブログというものを理解する上で役に立ちました。巻末に本編で触れられているブログやホームページのアドレス一覧があるのも便利です。

やたらと誤字があるのがブログ的な本でした。

インターネット・ラジオはラジオ局にとっても有難いの?

2004-07-03 | ◆ビジネス
インターネット・ラジオが注目を集めつつあるようだ。しかし、それは本当にラジオ局にとって嬉しいことなのだろうか?

ラジオ放送は、一度中継局を作ってしまえば、電波で飛ばす限りにおいてリスナー数がコスト増に繋がることはない。しかし、インターネット放送はそうはいかない。リスナー数が増えるにつれてサーバーを増強しなくてはならないので、アクセスがピークになっても大丈夫なように継続的に設備投資をしなくてはならない。インタネットラジオでたまに音が途切れてしまったり、バッファリングが発生するのは、アクセスがサーバーのキャパシティを上回ったときに発生する。

インターネット・ラジオは世界どこにいても聞けるので、リスナーにとってもラジオ局にとっても便利な面もある。しかし、フランスのように、ラジオ放送でフランス語の音楽を一定割合以上に保たないといけない、なんていう規制のある国があったりすると、均一的なサービスが規制に引っ掛かってしまうかもしれない。というのも、ヨーロッパではラジオは文化に根ざしており、日本人が一日平均30分程度しかラジオを聴かないのに対し、欧州は平均で3時間なのである。

また、リスナー層のセグメントが難しいとかえって広告収入も得にくいかもしれない。衛星ラジオ放送も似たような課題を抱えている。

そんなわけで、インターネット・ラジオはリスナーにとっては有難い話である一方、ラジオ局からすると複雑な事情もあるのではないかという話でした。





郵便局が電話事業やって成功するか?

2004-07-03 | ◆ビジネス
イギリスの郵便局(Post Office)が固定電話事業に参入するつもりらしい。郵便事業で打ち立てたブランド力と国内随一の支店網を活用して競合他社に打ち勝つというのだ。

イギリスのNTTに相当するのがBTだが、当地でもドミナント・プレーヤーは競合他社へ回線を貸し出すことが当局から求められており、Post Officeの動きもこれに乗じたものだ。ネットワークのオペレーションなどは全てC&Wなどにアウトソースするという方針であるから、Post Officeはあくまでブランドと支店網を生かした販売力で勝負を掛けるつもりだ。

しかし、Post Officeのブランド力はDHLなどに比べると荷物の紛失が多いというネガティブな面も強い。また、郵便局は元来顧客が持ってきたものを処理するもので、自分から何かを売ろうという姿勢は持っていない。突然電話の契約を取れといわれても、従業員のマインドはそう簡単には変わらないだろう。そもそも、セキュリティー確保の理由から、郵便局員と顧客の間にはプラスチックの壁が天井まで設けられているのが普通である。

ブランドと支店網が固定電話のセールスと全くシナジーが無いとはいわないが、自分の生み出すシナジーと競合他社の生み出すシナジーとどちらが大きいかという判断が欠けているといわざるを得ない。これはビジネス立上げの興奮の中で容易に忘れられてしまう重要なポイントである。