Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

六本木薬物中毒事件と海外赴任リスク

2004-07-30 | ◆ビジネス
今年の3月から5月にかけ、六本木で薬物中毒により11人が倒れ4人が死んだという六本木薬物中毒事件、うち7人が大手外資系企業の役員や社員であった。彼らの多くは海外からの赴任者である。

海外赴任というと花形的なイメージもあるが、そこには企業側にも赴任者側にも大きなリスクが伴うということが今回の事件から見えて来る。今回の事件の犠牲者たちが薬物に手を出した理由は明確ではないが、1つの理由として異国での寂しさが記事では指摘されている。つまり、海外で言葉も通じず、文化も異なるが故に、新しい環境に適応できず、それを紛らわすために薬物に走ったというわけだ。こうした状況は個人にとって生活が破綻してしまうというリスクであり、企業にとっても高額の赴任コストが台無しになってしまうリスクである。

仮に任務が無事完了したとしても、往々にして帰任後のポジションが納得のゆくものではなかったりする。海外赴任から帰ってきた人がまもなく会社を去るというのはよくあることだ。また、海外が長くなると、帰国後の生活への適応が難しいケースもある。海外での高額赴任手当てに慣れきって、生活レベルを変えられないこともあるだろう。

今回の事件の教訓は、いかに赴任者の適応をサポートするかが重要であること、また、その失敗は個人と企業の両方に跳ね返ってくるということである。