Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

ブロガーと呼ばれる新聞記者

2004-07-24 | ◆ビジネス
1週間ほど前の日経に、米大統領選において党大会に「ブロガーと呼ばれるインターネット記者」が招かれているという記事があった。日本ではまだブログが政治的影響力という観点から積極的に活用されているとは聞かないが、メディアとしてのブログがマスメディアと肩を並べる影響力を持ってきていることが示された形だ。


ナノテク礼賛の書

2004-07-24 | ◆読んでみた
「ナノテクビジネス指南」を読んだ。ナノテク礼賛の書である。2004年から先、2013年くらいまで、数年ずつ区切って、ナノテクから何が起こるかを予測している。

ナノメートルというサイズは今ひとつピンとこないが、この本によると、身長2メートルの人間は20億ナノメートルである。ますます良くわからないが、アルファベットを一文字につき10ナノメートルのサイズで印刷すればブリタニカ百貨辞典が普通のピンの先端に複写可能であるという。

既に実用化も進んでいる技術であるが、積極的に取り組んでいる国として、日米欧に加えイスラエルが取り上げられていることは興味深い。業務ソフトウェアの世界でも、イスラエル製というのは軍事から転用されたものが多く、他にはないユニークなものが出てくる傾向がある。ナノテクでも同じようなことが起こるかもしれない。

ナノテクノロジーとは、「個々の原子や分子を巧みに操作し再配列する科学と技術」という基礎技術であるが故に応用範囲が多岐に及ぶ、この本で触れられているものを挙げると、医療、素材、コンピューター、燃料、自動車などなど。

折りたたみ可能な平面ディスプレー、痛みなく皮膚を貫通できるナノチューブ、環境浄化、素材の自己修復など、この本にはナノテクノロジーが実現し得るであろう具体例が盛りだくさんである。

しかし、あまりに良いことばかりが書いてあるのが、今ひとつしっくり来ない。原子や分子レベルでものを操作し、新しいものを作り上げるのである。何か人間にはコントロール不能なものを作り上げるのではないかという危惧もある。この本では、可能性はまだまだ先だと書いてあるが、「ナノボット」という同じものを増殖させる機能を持つロボットが制御不能となることへの懸念には触れている。

やや一面的なナノテクノロジー礼賛の書であるが、その潜在力を理解するには良い本である。中途半端にマネージメントへの指南があるのはいまいち。