Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

航空運賃 200円! しかも100万席分!

2004-07-09 | ◆ビジネス
何と航空運賃200円(99ペンス)である。しかも100万席分である。これは、アイルランドを本拠地として欧州に展開する格安航空会社、Ryanairの冬のキャンペーン価格。

こうした航空会社は、ちょっと不便だが使用料の安い空港を結び、徹底的な低コストオペレーションで格安運賃を実現する。まあ200円はキャンペーン価格で安すぎるけども、飛行機を飛ばす固定費分さえ確保できれば、あとはただ同然でも乗せただけましという考え方をとればこんな価格も無理ではない。

でも日本の格安航空会社はなかなか影響力を強めることが出来ない。そもそも限定的な路線のみでしか参入しないので、大手航空会社に採算度外視でも価格をマッチされてしまう。これが、もっと大きな資本を獲得して、大規模に参入すれば大手航空会社も全てに価格をマッチさせることが出来なくなるであろう。更なる検討を期待したい。200円で沖縄あたりまで行きたいなあ。


マイクロソフトの野望

2004-07-09 | ◆ビジネス
マイクロソフトCTO古川氏が同社のシームレスコンピューティング戦略について語っている。そして、その中核技術はWebServicesである。

JAVAには.NETで対抗し、結局シームレスな世界は実現しなかったが、Web Servicesではマイクロソフトの動きは違う。マイクロソフトは標準化団体(WS-I)でもIBMなどと協調して積極的な参加をしている。

しかしその裏には、予想以上に強くなったJAVA陣営をWeb Servicesという互換性を通して取り込もうという意図を勘繰りたくなるのである。スタンダード戦争を生き残る1つの戦略は、他のスタンダードとのインターフェースを構築することである。それがマイクロソフトによるWebServicesの推進である。

そして、JAVAの技術者の関心が徐々にその新しいインターフェース技術へと移っていく中で、SUNはJAVAへのコントロールを失っていく。これも共通の敵がぼやけてしまったからであろうか。

霞む共通の敵 - PeopleSoftの苦境

2004-07-09 | ◆ビジネス
PeopleSoftの業績が悪化している。PeopleSoftがJ.D.Edwardsの買収を発表したのが、去年の6月2日である。その5日後にOracleがPeopleSoftへの敵対的買収を仕掛ける。その頃、英ファイナンシャルタイムス紙には両社の株主向けメッセージが全面広告として同じ日に登場したりしていた。それからはや1年、未だその敵対買収は決着を見ない。

PeopleSoftは、J.D.Edwards買収後は景況感の悪化にも関わらず業績を向上させていたように思うが、それもついに続かなくなった。今回の業績悪化の原因として、PeopleSoftはOracle対策を主たる理由としてあげている。

確かに訴訟など、敵対買収への対策に掛かるコストは馬鹿にならないであろう。しかし、当初はその敵対買収が統合されたPeopleSoftとJ.D.Edwardsの結束を生み、逆に強さの源泉として機能していたのではないかと推察する。しかし、その戦いが長期化することで、共通の敵であるOracleが日常的な厄介物に成り下がってしまったのではなかろうか。

危機に際して、共通の敵というのは結束力を生み出す源泉となりうる。それがぼやけてしまった今、J.D.Edwards買収の真価が正に問われていると言えるだろう。しかし、その弱体化しつつあるPeopleSoftを買収することで、Oracleは本当に買収の対価を得られるのだろうか?