Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

療法士と医療を考える

2006-04-07 06:35:10 | 臨床医学
以前書いた呼びかけだが、少し手直しして再度ここに貼り付けたいと思う。疾病に発症過程と回復過程とがあるとしたら、「疾病の回復過程」の医学専門家がコメディカルスタッフなのである。この事が日本でどう認識されているか私には判らないが、医師が発症過程から、看護師は発症と回復の双方に跨る格好で治療に当たるとしたら、コメディカルこそ回復過程に特化した医療従事者なのである。


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「OT(作業療法士)やPT(理学療法士)などの療法士やコメディカル・スタッフになるべく学んでいる皆様へ」

OTPTの国家試験受験をはじめとして、臨床の現場で役立つであろう医学情報をひとまとめにしてみました。また、新しく手直しした生理学や精神医学の講義用教材もここに載せてあります。

アクセスはこちらから→ http://groups.yahoo.co.jp/group/drmorischool/
ウェブサイトの使い方はかんたんです。ウェブサイトにアクセスしたら
「ブリーフケース」や「ブックマーク」を覗いてみて下さい。

「ブリーフケース」からOTPT国試ガイドライン準拠の教材が無料ダウンロードできます。「ブックマーク」では、評判の良かった電子教科書などのリンク集が充実させてあるはずです。日本語による解剖学・生理学・薬理学の評判の電子教科書はもとより、英語による画像診断、X線CTやMRI画像など、興味深いデータが盛りだくさんです。(特に画像や波形の読み方などについて質問を受けますが、なるべく色々な種類のものをこのウェブサイトにアップロードすることで、回答としていきたいと思います。)

教材の内容には充分注意を払っておりますが、それでも誤りが見られたり、”例によって”誤字脱字などありましたら併せてお知らせください。(今までちょっとスキャナを過信していました。)例えば錐体路・錐体外路の機能の解釈のように、最新の知見と従来の考え方とがまるで違うなど、医学では最新データを常にアップデートしていかねばならないこともあります。わたしたちが生き物であるように、科学や医学もまた生き物です。所詮は不完全な人間のする事ですから、そこに絶対的真理はありません。

日本でも製造業にはPL法があるように、世界的には教育者には「アカウンタビリティー」というものが常に問われています。常によりよい授業や教材(説明・比喩・図や表など)を提供していけなくなれば、教育者としての資質が問われてしまうのです。つまり教育を受けた学生が、毎日少しでも向上していくようガイドしていかねばならないのです。

むやみに”世界標準”を取り入れるのは、それを無謀に推進している巨大な世界的資本グループの御用教育者になるようで、自由の闘士を自任(笑)する者としては気が引けるのですが、ここはひとつ日本的に良きものは採りいれるという精神で参りたいと思います。そしてその精神にのっとり、常に自己研鑽に励みたいと思います。

日本ではほとんどの療法士を目指す方々は高校卒業をしてすぐに専門学校に入って専門の学問を学ばれます。ここではそうした現実も考えて、大学を選ばずに専門学校生へ入った方々に高等教育とか学問的な話題に触れる機会も提供できればと思います。何か皆さんにとって面白い話題でも提供できればいいですね。
http://groups.yahoo.co.jp/group/drmorischool/

現在私が担当しているのは中部地区のOTPT学生と看護学生です。中部地区の精神科医療・作業療法、理学療法や看護の名が世界に轟くように、微力ながら応援させて頂きたいと思います。「精神と身体のリハビリするなら日本の中部地区がいいらしい!」と真新しいセントレアを使って万博で名を知られた中部地区に物見遊山がてら世界中からリハにやってくるぐらいの(笑)精神・身体のリハビリを提供できるよう、頑張りましょう。(もちろん相手のクライアントが日本語を流暢に使える、なんて洒落た事態があるとして。)

世界中の国々では、療法士は「スペシャリスト」であり、専門の治療法に関してはドクターやナースも一目置いているのです。自然に出来た社会のヒエラルキーや権威を壊すことはありませんが、(私はこう見えても超保守派なのです。)患者さんに接する時間の比較的長い療法士の方々が、正当に評価され、誇りを持って仕事を進められるように心から祈念申し上げます。

OTやPTの方々が人間の心身の治癒過程における「最後のシメ」に的確に関わるとき、精神科医や整形外科医の方々、あるいは共に働く看護師の方々の負担もおそらく減っていくでしょう。また残念ながら世界中で紛争などが起きていますが、医療支援で医師・看護師と共に被災地に派遣される人材にPTは含まれています。日本で得た知識や技能が世界中で活かされる道も広がっています。

OTやPTなどの各種療法士のみならず、幅広い使い方をしてくだされば幸いです。また、他の方々とシェアしたい情報などあれば、どんどんとお寄せください。「医療」をめぐって、「医学教育」や「医療経済学」、「医学と政治」、「食生活と健康」など人間と社会を広く考える場となれば嬉しく思います。

この”電子カレッジ”に集まり散じる人々と、「医」を共に考えたいと思います。療法士の卵はもちろん、ベテラン療法士・現役医師・看護師・医学教育者・医学研究者医療経済学者や医療や保健に関わる社会活動家などにも参加していただきたいです。大医はじつに国をも治すのです。
http://groups.yahoo.co.jp/group/drmorischool/
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