Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

南を目指すサイコロジスト

2006-04-18 00:33:27 | 危機管理:国際人道保健支援・災害救急
内戦に荒れたルワンダの地に赴任したのはうら若き乙女だった。彼女はこれから2年と言う長い年月を、この荒廃した大地で過ごす事になる。(ブログ参照)

この女性と知り合ったのは某精神科症例検討会であった。パワフルな彼女はどんなヘビーな症例と出会っても凹まなさそうなそんなイメージがあった。実際にエネルギッシュ且つ落ち着いた言動で、着実に与えられた課題をこなしていった。

ある時、症例検討会メンバーで談笑していると突然の発表がもたらされた。「実は、私はもうすぐルワンダに行きます。行く事が決定しました。」検討会後の喫茶店「コメダ」での毎度の語らいを私は「コメダ会議」(通称コメコン/Komeda Conference)と呼んでいるが、このときのコメコンの雰囲気をがらりと変えてしまったのだ。

ルワンダの地理的な位置を尋ねる女性臨床心理士。答える男性精神科医。学生も先生方も皆がこの新しいキーワード「ルワンダ」に釘付けとなった。あれからもう2ヶ月は経た。

現地からまずは第一報が届いた。無事であるとのこと。安堵に胸を撫で下ろす。日本の国際貢献としてODAによる援助の一環であろうが、主要メディアのアフリカ無視、国際機関によるアフリカ軽視政策の現在において、希少且つ有意義なODAの一つなのかも知れない。

何れにせよ、この新進気鋭の女性臨床心理士のみならず、同僚の青年海外協力隊員や内戦と虐殺で疲弊しきった現地住民の無事と平和を祈るばかりである。読者諸氏も、思想・信条・イデオロギーを超えてぜひこの地の安全を、わが国や或いはあなたの住む国の安全と同様にお祈り頂ければ、私としては望外の喜びを禁じ得ないのであります。

最新の画像もっと見る