団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

京大iPS細胞研究所

2010-05-09 18:33:58 | 日記

京大iPS細胞研究所 世界と競う環境整った /京都



 ◇初代所長・山中教授「研究者に楽しく」


 「もう言い訳はできない。10年で臨床試験に達したい」--。8日に開所式典があった京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)の初代所長、山中伸弥教授は力強く決意を語った。iPS細胞研究は世界で最も競争の激しい研究分野の一つ。厳しい研究レースを勝ち抜くため、そして一日も早く患者の元へ成果を届けるため、研究所には最新の設備が整えられた。「研究者が来るのが楽しくなる研究所を目指したい」と山中教授が話す建物の内部をのぞいてみた。【広瀬登】


 縦横の線がさりげなく強調されたシンプルなエントランスホールを通り5階に上がると、目の前には青い天井が美しい実験室が広がる。


 研究所の自慢の一つが「オープンラボ」。フロアの大部分が一つの実験室だ。実験台の間隔も広く、研究者のデスクも同じ空間にある。ただ、山中教授は「研究内容は自由。しかし、将来の応用を目指した研究なので、学生であっても企業で行う研究と同じ心構えでやってもらいたい」とクギを刺す。


 フロアには培養室やオフィスに加え、オレンジや緑、白や青のカラフルな椅子やテーブルが並べられた談話室も。大文字山の眺めも良く、おしゃれなカフェのようだ。山中教授も「ほっとできる場所」という。


 ゆるやかな気持ちが一転、引き締まった思いになるのが2階にある細胞調製施設だ。細胞治療へ向けたiPS細胞を作るだけに管理が特に厳重だ。


 フロアに入る前には、靴を脱ぎスリッパを履く。天井に取り付けられた小型カメラが人の出入りを監視。室内に舞う微粒子の数は、ゴルフ場のきれいな空気のわずか100分の1という。細胞の培養や観察も一部をロボット化。そのすべてが管理室のモニターに映し出される。ピンク色の細胞調製室の床が唯一、温かみを与えている。


 建設に要した費用は約47億円で、文部科学省は43億円を拠出した。開所記念式典には、川端達夫文科相らが列席。開所のテープカットでは文科省の坂田東一事務次官が中央に立った。


 まさに国家プロジェクトで、「これからが勝負」。こう言い放った山中教授率いる研究所を、まだ治療法の見つからない難病の患者だけでなく、国民そして世界が注視している


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