団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

臭いもの物には蓋をせよ。イヤ、埋めてしまえ! 無かったことにせよ!---中国共産党

2011-07-25 20:11:15 | 日記

中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故で、中国当局が脱線落下した先頭車両を破壊した上、現場に掘った穴に埋めていたことが分かり、インターネット上などで「証拠隠滅だ」との批判が相次いでいる。24日深夜に記者会見した鉄道省の王勇平報道官は、事実は否定せず「危険回避の緊急措置で、救助作業を円滑に進めるためだった」と釈明したが、疑念は深まっている。

 事故から一夜明けた24日朝、鉄道省は救出作業の傍ら、重機を使って落下した先頭車両の運転席部分などを切断し、破砕。付近の農地に深い穴を掘り、埋めた。この様子を現場で多くの人が目撃、ネットで中国国内にも広まった。事故原因の調査は進んでおらず、市民からは「不利な証拠が検証できないようにするためだ」「悪事は隠せば隠すほど、明るみに出る」など非難の声が殺到している。

 一方、中国共産党中央宣伝部が国内メディアに対し、新華社の配信記事を使用し、独自報道をしないよう求める通達を出したことが関係者の話で判明。国民から「安全軽視」との批判が高まる中、当局は報道にも神経をとがらせている。

 また、関係者によると、24日午後には温州市で鉄道省や温州市政府などが記者会見を開いたが、対象は新華社や国営中央テレビ、人民日報と地元の当局系メディアだけで、ほかのメディアは閉め出されたという。

 比較的自由な報道をする各地の「都市報」や香港メディアは「情報開示が不公平だ」と納得せず、会見場になだれ込んだが、中にはだれもいなくなっていたという。別の場所に会場を移してこっそり行われたとみられる。

 鉄道省は同日深夜になって、公式な記者会見を事故後、初めて開催。その様子はテレビなどで中継された。

【北京=朝田憲祐】

 

中国高速鉄道の追突事故をめぐっては、早期の事態収拾で“幕引き”を図りたい当局側の思惑が鮮明となり、ネットを武器に批判を強める世論とのズレも次第に広がっている。

 死傷者の数をめぐっては、中国国営新華社通信の報道と鉄道省の公式発表が食い違う異例の事態となった。

 24日午前に新華社電は死者数35人と伝え、さらに同日夜、新たに8人の遺体がみつかったと速報。死者数を43人とした。ところが同日深夜に、鉄道省報道官が記者会見で「私が把握している死者数は35人という数字だけ」と述べて新華社電を事実上否定。また同報道官は負傷者数を192人と発表し、新華社電が伝えていた210人以上との報道も退けていた。

 しかし、新華社電は25日午後には、地元当局者の話として死者は38人になったと報じ、被害の掌握をめぐる混乱は続いている。

 だが、2本の列車に合わせて1400人前後が乗車し、このうち4両が高さ約20メートルの高架から落下する大惨事。ネット上の調査でも25日夕の段階で、鉄道省発表の死者数の数字について「信じられない」という声が圧倒的に多く、浙江衛星テレビも同日、「(発表された死傷者以外に)行方不明者がまだ多数いるもようだ」と疑念を呈した

負傷者が30人近く運び込まれた温州第二人民医院で働く女性ボランティアは産経新聞の取材に、「ここで負傷者が24日に3人死亡した」と話し、行方不明の家族や知人を探す人の姿が25日もみられた。

 現場では、追突した列車の運転席を含む最前部が土中に埋められたほか、落下した車両の解体や撤去作業が優先されたことに、ネットでは「生存者がいるかもしれない車両を重機で解体した作業は殺人に等しい」などと当局を非難する発言が続々と書き込まれ、「技術的な問題を隠そうとする当局の狙いがあるのではないか」と疑う声も強い。

 鉄道省報道官は「先頭車両を埋めたのは危険を回避する緊急措置だった」と会見で釈明したが、事故後わずか1日半で運行を再開したことに、現場検証など事故原因の調査をないがしろにしたとの批判もある。

 胡錦濤指導部などトップに対する責任問題への波及や、内政への影響を懸念して事態収拾を急いだとみられる当局側の狙いが、ネット世論に揺さぶられて裏目に出た可能性もある。

【温州(中国浙江省)=河崎真澄】


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