名古屋市は、外郭団体の市土地開発公社による公共事業用地の新規取得を3年後にやめる。公社は市の依頼で道路や公園用地として土地を先行取得しており、保有額は購入価格と利子を合わせ628億円分。市は10年間で土地を段階的に買い取る方針で、公社は十数年後に解散する見通しが出てきた。
市は、公社の保有地の半分に当たる326億円分を2021年度までに買い戻す予定。5年以内に残りの用地の買い戻しと併せ、公社存廃を決める。
河村たかし市長は23日の定例会見で「時代は変わり、公社の先行取得は早くやめるべきだ。買い戻しもスピードアップする」と述べ、公社解散を念頭に公社の保有資産の削減を急ぐ考えを示した。
市財政局によると、公社が保有する土地で、購入から5年以上利用されていない「塩漬け」の用地は、守山区の「なごやサイエンスパーク」(21ヘクタール)など9割を占める。
公社の保有地は、簿価628億円(今年3月末見込み)に対し、路線価を基にした時価は推計246億円で、400億円近い「含み損」もある。
地価が右肩上がりの時代には値上がり前に先行取得するメリットがあったが、地価が低迷する中で「経済的な利点はなくなった」(市財政局)という。
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