ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「カモナマイハウス」

2024-04-15 10:36:52 | 

 

「カモナマイハウス」 重松清 中央公論新社 2023.7.25

 

不動産会社で空き家メンテナンス業に携わる水原孝夫。

妻・美沙は、両親の看取り後、怪しげな「お茶会」にハマっており、31歳になった元戦隊ヒーローの息子の将来も心配だ。

そんなとき、美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによる「空き家再生プロジェクト」の標的になるのだが……

 

全国の空き家が、2018年の時点で849万戸。

空き家率は13.6%だ。

 

自分の家で生活を営んでいると、空き家になった実家は無用の長物ということが多い。

実家への思い入れがあるこの作品の美沙のようではなく、処分したくても、解体はお金がかかるし、田舎などは買い手が見つからない。

現実の問題点をあれこれ思い浮かべた。

 

P122

息子を親の思い通りにしようなんておこがましい、親の役目は転ばぬ先の杖を差し出すんじゃなくて、転んだあとで立ち上がるのを見守ることだ、やった後悔よりもやらなかった後悔の方が苦いんだから……

 

P161

「ココロの穴を埋めようと思ったら、なんでもいいから『押し』をつくるんだって。それが一番手っ取り早くて、確実なんだって」

 

P167

「五十過ぎたらタッチで十分」「手つなぎはグー、タッチはパー、パーはグーより強いの」「相方がいなくなったら一人でタッチ、すなわち合掌、仏壇の前で拝んであげなさい」

 

P185

「あなたは、あの子のことをたくさん心配してくれるけど、あんまり信じてあげてないのよねえーっ」

 

 

親子、夫婦、家族……

頷いたり、やはりお話だよなぁと思ったり、

さすが重松さん、一気に読んだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする