コップを倒してしまい、
入っていたワインがこぼれて流れた。
で、フッと思った。
この状態を方言で「まかす」と言う。
一般的に「まかす」と言えば、
負かすか、任すかな……
この言葉を初めて聞いた人は戸惑うだろう。
そんな方言を他にも思い出した。
わりと有名なのが「ながめる」
どう考えたって「眺める」なわけだが、
こちらの方言では「長める」~
「(脚を)伸ばす」という意味だ。
「まんず、あしながめれ」と言われた遠来の客が
仕方なく足を眺めた、という笑い話がある。
仕上げるという意味で「でかす」と言う。
宿題をでかす、報告をでかす、といった感じで。
「でかした」という言葉があるので、
この言葉は共通語だと思っていたが、
どうも、ニュアンスが違うと知ったのは十数年前。
普段は方言を使わないし、多分、訛ってもいない。
それでも時にナニゲに使うのが
「捨てる」という意味の「なげる」ーー。
「投げる」と同じ言葉だから、たちが悪い(笑)
わざと方言にすることもある。
「そうですか」→「んだすか」とか。
東北の言葉=田舎者というイメージがあって、
卑下しがちだけど、
関西弁のように、
もっと積極的に遣ってもいいのではないかと
しばしば思う。