ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「あきない世傳 金と銀十三」

2023-06-09 22:08:24 | 

 

「あきない世傳 金と銀十三」 髙田郁 角川春樹事務所 2022.8.18

 

時代は宝暦から明和へ、

「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて商いの大海へと漕ぎ進む五十鈴屋の物語、完結。

 

宝暦元年に浅草田原町に江戸店を開いた五十鈴屋は、仲間の尽力を得て、一度は断たれた呉服商いに復帰、身分の高い武家を顧客に持つことで豪奢な絹織も扱うようになっていた。

だが、もとは手頃な品々で人気を博しただけに、次第に葛藤が生まれていく。

吉原での衣装競べ、新店開業、まさかの裏切りや災禍をのりこえ、店主の幸や奉公人たちは「衣裳とは何か」「商いとは何か」、五十鈴屋なりの答えをみいだしていく。

 

ーーおあしにはな、金と銀と銭がある。銭は日々の暮らしを支えるもの。お前はんがこれから生きる商いの世界で使われるんは、金と銀だす。金は銀より重うて、柔らかい。何より、いつまでも変わらんと光り続けることが出来ますのや。金と違うて、銀は曇ってしまう。けど、その曇りは、銀がひとからひとの手ぇに渡った証、仰山のひとの商いに役立った証だす。金と銀、両方揃わな、商いは出来ませんのや。ーー

 

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