ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「火花散る おいち不思議がたり」「甘露梅」

2018-08-24 20:47:28 | 

 

 

「火花散る おいち不思議がたり」 あさのあつこ PHP研究所 2018.6.29

 

おいち不思議がたり、第4作目。

 

赤子を産み落とした女が姿を消したーー。

その女は無残な死体で発見される。

 

声なき声を感じ取ったおいちは、女の正体を探るが、

思わぬ事態に巻き込まれ、

岡っ引き・仙五朗と事件解決にあたる。

 

いつもながら、タイミングよく登場する伯母・おうたがなかなか。

おうたは口うるさいだけではないーー。

 

 踏み込んではならないと、心得ていた。この世にはとことん問い詰めねばならないものも、知らぬふりをしなければならないものもある。おうたは、ちゃんと解している。

 ちゃんと騙されてくれる。

 

そんな機微をわきまえたいものだ。

 

 大店の隠居・おきくが言う。

「妬みって、粘り気があるのです。べとべとしていて、払おうとすればするほど纏わりついてくるのです。(略)でも、それを外に出すことはできなかった…。


 

「甘露梅 お針子おとせ吉原春秋」 宇江佐真理 光文社 2001.11.25


亭主を亡くし、新吉原の大籬海老屋にお針として住み込んだおとせの春夏秋冬。


郭とは無縁だったおとせ目線の吉原が、

なかなかに味わい深い。



 

 

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