ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「ノースライト」

2019-05-16 22:38:51 | 

 

「ノースライト」 横山秀夫 新潮社 2019.2.18

 

久しぶりの横山秀夫さん。

途中から引き込まれ、グイグイ一気読み。

 

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。

望まれて設計した新築の家。

〈あなた自身が住みたい家を建てて下さい〉

という不思議な依頼だった……

 

差し込むでもなく、降り注ぐでもなく、どこか遠慮がちに部屋を包み込む北からの光。

東の馬どの聡明さとも南の窓の陽気さとも趣の異なる、悟りを開いたかのように物静かなノースライトを

思う存分取り込んだ、浅間山を望む「木の家」を建てたのだった。

 

施主の一家も、新しい自宅を前人気、あんなによろこんでいたのに……

Y邸は無人だった。

そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。

ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば……。

このY邸でいったい何が起きたのかーー。

 

所謂ミステリーとは一線を画している。

淡々としているようで、しっとりとした趣を感じた。

 

 

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