ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「依存症ビジネス」

2015-01-18 18:51:00 | 
「依存症ビジネス」 デイミアン・トンプソン ダイヤモンド社 2014.10.9

翻訳副題は--「廃人」製造社会の真実

原題は The Fix
 そして
How addiction is invading our lives and taking over your world

iPhone、フラペチーノ、危険ドラッグ、お酒、Facebook、ネットゲーム、オンラインポルノ……
私たちは、なぜこうも簡単に「病みつき」になるのか。

FIXフィックス とは、すぐに気分をよくしてくれるもの。

 依存症の最たる特徴は、徐々に「人」を「物」に置き換えていくこと。
 依存者は、フィックスを手に入れるのにどれほど役立つかという観点から、人を判断するようになる。
そしてついには、あらゆる人に失望する段階がやってくる。こうして依存者は、物は人より
頼りになるという結論に達するのだ。物は何かを要求したりしない。ニーズがあるわけでもない。
物との関係においては、依存者は常に主導権を握ることができる。

というのは、よくわかるが、ならば、他者に依存するのは、どう説明するのだろうか…

どんな依存も病気ではない、と著者はいう。

私たちが「依存者」と呼ぶのは、自分に害を加えるような短期的報酬を一貫して追い求める人のこと。
こうした人たちの脳には、強力な「希求」経路、すなわち「欲しい」という衝動の経路ができている
ように思われる。

依存的な行動をとるときに脳内では…
私たちが求める快楽は、脳をドーパミンや他の化学物質で満たしたあと、それらの物質を枯渇させる。

あらゆる生命体の目標は、生きのびることにある。快楽は--意識していようがいまいが--
生きのびる確率を高める行為に対する報酬だ。セックスと食事における進化論的な目的は、
言われずともすぐわかる。

私たち人間にとっての自然な状態とは、生存が常に脅かされているような状態だ。
テクノロジーは、努力と報酬との比率において、報酬--それも通常は短期的報酬--の率を
高めるという事実がある。あらゆる動物は短期的報酬を好む。その理由は、すでに見てきたように、
生物の目標は生きのびることにあり、即時的な報酬は、それを可能にしてくれるからだ。
だが、無制限に物が手に入ることは、恩恵を害に変えてしまう可能性がある。

ヘロインは、モルヒネより習慣性の低い代用薬物を探していたバイエル社が1898年に開発した薬物。
開発した「ジアモルヒネ」の"英雄的ヒロイック"な特性を表すために「ヘロイン」と名付けて商標登録。
同社のウェブサイトに、この事実の言及が一切ない。

余談はさておき、企業はこの「依存」を大量消費に結びつける。
これは当然の戦略と理解するが、ならば、消費者はどう対応するのか、
個々の意識に任せるしかないのか…

著者は自己の経験を元に、現状に警鐘を鳴らしているにとどまっている
としか読み取れないのは、私の読解力不足だろうか。
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