紀伊民報 平成22年6月19日付 読者の欄「声」に掲載
子どもと特攻平和会館へ
白浜町 山根康民(会社役員40歳)
「特攻隊って何?」子どもからそう聞かれました。
私なりに説明したのですが、せっかく関心を持ってくれたのだからと思い、
先日、鹿児島県南九州市知覧町にある、知覧特攻平和会館へ一緒に行きました。
片道15時間、 約1100kmの道のりでした。
特攻会館へは2回目の訪問ですが、2002年に初めて訪ねた際、涙が止まらなかった想い出があります。
「もう一度、ここへ来たい」と思いましたが まさか子どもと一緒に来られるとは思いませんでした。
館内に入ると特攻隊員の写真や遺書、遺品、戦闘機、映像資料など数多くの貴重な資料が展示されています。
特攻隊員の中には、わずか17歳という若さで命を落とした方もいます。
遺書の中で特に印象に残ったのが、3歳と5歳の自分の子どもにあてた手紙です。
文面がすべてカタカナで書かれ、幼い子どもたちが少しでも早く、
自分の手紙を読めるようにとの思いが込められていました。
来館者の中には、そんな子どもたちや両親への思いをつづった文面に、
ハンカチで涙をぬぐう方も多くいました。
会館内には「平和へのみちしるべ」と書かれた寄せ書き帳があり、
「命の尊さを考えて欲しい」「自分と同じ年齢で特攻なんて残酷」などと書き記していました。
中でも印象に残ったのは「ここを訪れて感じるものは、確かにあります」というものでした。
高校生や若い女性のグループ、小さな子どもを連れた家族など、
若い方が多く来館していることに感心しました。
そして子供に「どうだった」と聞くと「うまく言葉にできんけど、何か感じた」との返事。
何となくでも何か感じるものがあったのなら、連れてきてよかったと思いました。
(あとがき)鹿児島県まで車で行くというのは、大変長い道のりでした。
飛行機や電車ですと早く目的地に着けますが、交通費×人数になると出費が大きいので
時間がかかってもいいのでと思い車を選択しました。
車の運転が苦にならないというのもありましたけどね。
さて私が、初めて知覧特攻平和会館に行ったのは、平成14年10月23日でした。
この時のツアーで初めて特攻会館を訪問したのですが、滞在時間が短く
あまりゆっくり見る事が出来ませんでした。
その事から次は、時間に余裕をもって、ゆっくりと見たいと思っていました。
平成22年10月23日、再び訪問する事が出来ました。
私は、現在の平和は、こうした先の大戦で亡くなられた多くの方の犠牲の上にあると思っています。
また、いつの日か訪ねたいと思っています。
ありがとうございました。
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