7月24日、富士山を見たくて静岡県富士市にある「道の駅富士」まで
片道約14時間、往復約1100キロを原付きバイクに乗って出かけました。
この日は晴れでしたが、富士山は大部分が雲に覆われていたため見ることができませんでした。
その夜、浜松市のビジネスホテルで1泊して、
翌朝9時ごろに静岡県から愛知県に入り、国道23号を走っていました。
途中、トイレに行きたくなり、幸田町にある「道の駅 筆柿の里・幸田」に寄りました。
この時、体操服を着た小学生が
「豊坂ナス3本100円」と書いたポップを歩きながら掲げ、観光客に声をかけていました。
私は特に気に留めることなく店内に入って、
地元の方が手作りされたあんパンと、コーヒーを買って屋外で食べていました。
すぐ近くで、先ほどの小学生約15人が豊坂ナスを販売しています。
声をかけられて購入する人もいれば、素通りする人もいます。
そんな元気良く頑張る子どもたちの様子を見ていた私は、引率の先生に話を聞いてみました。
すると「この豊坂ナスは、3年生と6年生の子どもたち
(地元の幸田町立豊坂小学校の児童)が育てました」とのこと。
この話を聞いて3本入りのナスを2袋購入しました。
「何だかこの子たちを応援したいなあ」という気持ちが湧いてきて、
その後も気になって少し離れた所から様子を見ていました。
ナスは少しずつ売れて行きました。
そして「最後の残り四つです」という声に私は立ち上がり
「そのナス下さい」と言いました。
前に並んでいた子どもたちが一斉に「ありがとうございます」と言うので私も
「こちらこそ、ありがとうございます」と言いました。
とても良い時間を過ごすことが出来ました。
たまたま立ち寄った道の駅でのすてきな出会いというか、ご縁にうれしくなりました。
豊坂ナスは、おひたしやマーボーナスに調理しましたが、
子どもたちが一生懸命育てたナスだと思うと、とてもおいしかったです。
ごちそうさまでした。
2022年(令和4年)8月6日付 紀伊民報
白浜町 山根康民(会社員・52歳)