


あらすじ(「BOOK」データベースより)
40歳を目前に離婚した「私」と、身寄りをすべてなくしたばかりの、いとこのちどり。イギリス西端の田舎町を女二人で旅するうち、魔法にかけられたような時間が訪れるー。



自ら望んで離婚して、それでもいろいろな思いが交錯し淋しさをかかえる「さっちゃん」、育ててくれた祖父母を亡くし淋しさをかかえる「ちどり」。2人がイギリスの端っこの薄い気配の海に飲みこまれそうな町に旅します。さっちゃんはちどりを尊敬していて、ちどりはさっちゃんをとても優しいと思っていて。お互いを好きな2人がそれぞれの心の内をぽつぽつと話す。その何気ない会話に、何度鼻の奥がツーンとしちゃったことか。相手の本当の淋しさは理解できなくても、淋しいことを知っていてその淋しさに誠実に向き合いながら、2人がほんのちょっと先のことを話して約束して、未来を感じる。淋しさでいっぱいだった旅だったけど、その旅の終りには、ほんのり未来にも心にも光が灯り、温かい気持ちになりました。