5月の優しい風が吹き込む一室を想像してみてください。
陽炎のようにはかなく弱々しく窓辺にたたずむのは私です。
病気入院といえどそんな姿でなかったことはみなさんお分かりですね。
「いつ退院できる」かというしつこい攻撃
退院のために出されたものは全部平らげる
吸入と点滴をしながら見たいテレビにかぶりつき
経験の浅い看護士の点滴失敗血まみれスプラッタも何のその
そして極めつけは
酸素吸入をしながらふと考えた。
「思いっきり吸い込んで火つけたら、怪獣みたいに火吐けるかな」
誰にも話せず呑み込んでしまった言葉です。