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40歳からの早期リタイヤ計画

一生独身+賃貸暮らし、手取りの半分を貯め続けて早十数年。IDは怒髪天(JAPANESE R&E)から。

とある弧男の18切符 2015 ~郡上八幡・徹夜をどり編

2015-09-06 00:11:21 | 09 旅・東京
ほとんど諦めていた夏休みが取れたのを幸いに、一年ぶりに念願の郡上八幡へ。

普通の(徹夜でない)をどりは去年経験したが、徹夜をどりは今夜が初めて。
15時半の長良川鉄道に乗車。2両編成に数人の浴衣姿、年齢層は高め。関を過ぎたあたりから田舎の気配が漂う。
途中、みなみ温泉駅で下車し汗を流す。意外にも浴衣客は少なく、盆に東京や名古屋から帰省したと思われる(温泉客のほとんどは電車ではなく、車利用のようだ)人々でごった返す、それとも、車でをどりに参加する人たちなのだろうか。おかげで脱衣場が狭い。ちなみに美濃太田で入浴料を聞いたところ、本来600円だが、長良川鉄道利用者は200円。下車時に運転手さん(※注/もちろんワンマン列車)が割引券をくれる。途中下車の割高を相殺しているくらいの勘定。

今日の踊り会場は、城下町プラザではなく、商店街一帯。二昔も前の昭和の商店街、というか恐らくは高山方面へつながる旧国道だったのだろう。数百メートル南を国道が並走しているし。
商店街の中には、コンビニもドラッグストアもない、小さなスーパーがある程度で、後は古びた洋品店や喫茶店、化粧品店など。全国チェーン店は一つもない。土産物屋は意外となく、代わりに靴・下駄屋が多い。長良川鉄道沿いの国道は御多分に漏れずチェーン店が並ぶが、この一帯だけは東京資本が入りこまずにいる。

開始よりも前からかわさきが流れる。うまい人の後ろについて真似てみるが、まるでダメ。
やがて20時。気がつけば、交差点を中心に、道路に沿って十文字型の輪ができた。
見よう見まねで、かわさき、三百、春駒まではなんとか。猫の手はもうダメ。それにしてお、手と足がついてくるにつれ湧き上がる、この高揚感はなんだろう。こんな旅に出た上に文章を書くくらいだから、クラブなんて恐ろしくて行けない。踊ったことがあるのはDDR程度だというのに。






取りあえず、手だけを真似てみる。そして手と足を合わせる。手だけならまだしも、足と一緒となるとなかなか合わない。よく日本は難波走りと言うが、運動会の行進の練習や卒業式で手と足が一緒に出て笑われるとか言うが、郡上をどりに関しては手と足が一緒に出ることが多いように思う。
うまい人ほど2~3重の踊りの内側で踊っている。素人は最外の輪で踊る。あと、踊りがうまい人ほど移動が早い。内側の輪は早く回り、外側の輪はゆっくり回る。踊りが下手だと肩身は狭い。でも、外側で踊るだけなら下手でも困らない。

揃いの浴衣またはTシャツを着た人々、輪の最前列。いわゆる踊り助平。自分のように一人で踊りに来た者からすれば、少々羨ましくもある。参加者は郡上八幡の人ばかりなのか、名古屋の人も多いのか、よく分からない。
さえないおばさんが、キレキレの踊りを見せる。そして向かいあった知り合いと挨拶を交わしているのが地元の踊りっぽい。
コスプレや着ぐるみは少ない、それがいい。アスファルトではなく土の上だったらいいのかもしれないが、贅沢は言えない。何より下駄の音が気持ちいい。

高校の体育祭でやったフォークダンスに近いかも。あるいは小学校の林間学校(キャンプファイヤー)のマイムマイムのような。
あと、民謡って、どうして8拍子とか16表紙とかじゃないんだろう。踊りが13拍や17拍で一周とか笑ってしまう。踊りながら、頭の中でココアが素数を数えている。
というか、我々が普通の邦楽とか洋楽に毒されているだけで、こっちの方が本来の姿なのだろうか。

あと、今回はサンダルで行ったが、やはり下駄の方がいい。それもニセモノの下駄(裏がゴムが貼ってあるやつ)ではなく、ちゃんと歯が二本立っているものの方がいい。地面を蹴って音を鳴らすには下駄に限る。

時折雨が降っては止んでを4~5度繰り返す。プロ野球でも中断に入るであろう強い雨も一度。さすがにほとんどの人は店の軒先で雨が止むのを待つが、中には踊り続ける猛者も。

夜になると人が増えものとばかり思っていたが、夜になればなるほど人は減る。車で来ている人が、疲れて、あるいは雨のせいもあってか、車で帰るのだ。逆に途中参加の人は少ない模様。

帰りの列車、早朝3時半、座席はほぼ満員の約40~50人。関あたりの途中駅で乗ってきた人が一人。そして全員が美濃太田駅で下車。鹿が線路に現れて列車が止まること二度。

その気になれば、盆の土日の丸二日さえ休めれば来れる距離である。来年も来ると思う。遠くへ来た感を味わうにもちょうどいいし、何より東京/全国資本を感じない空間は貴重だと思う。
今年はちょうど猛暑がひと段落した時期+時折雨だから良かったけど(あと一週間早かったら危なかった。熱帯夜の徹夜をどりは翌朝が困る)、みなみ温泉がこの時期、24時間営業してくれればいいのだけれど。昼12時~朝9時とかでもいいから、徹夜明けのをどり客を取り込めばいいのに(200円に割引しなくても、きっと客は来るだろう)。

ちなみに、汗に耐えられず、帰りの電車に乗る前に、郡上八幡駅横の駐輪場でTシャツを脱ぎ捨て、浴衣一枚だけで電車に乗ったのは秘密だ。ノーパンノーブラで電車に乗る羞恥プレイなんて都市伝説を聞くが、ノーパンノーTシャツの乗車はそれなりにスリリングであった(翌朝、電車を乗り継いで某所のスーパー銭湯で着替えた)。

とある弧男の18切符 2015 ~新潟・公楽園編

2015-08-29 22:49:34 | 09 旅・東京
青春18きっぷで郡上をどりに行くことは数か月前から決めていたが、それ以外にどこへ行こうかと思案していた7月末、ドキュメント72時間で、新潟・燕市の「公楽園」を知った。

前日晩は新潟駅前のネットカフェに泊まり、次の日、喜多方でラーメンを食べた後、公楽園へ向かう。
地図でいうと、最寄り駅は越後線分水駅(あるいは栗生津駅?)。
駅からは歩いて40分近くかかった。公楽園はR116道路沿い(国道の南東側)にあるが、TVでもやっていたとおり、近隣はただの田園地帯なので、真夏に18きっぷで行く際は暑さに注意されたい。駅を出て東に15~20分ほど歩き、R116に出たらひたすら北へ向かえば間違いない。
(電車であれば、いっそ新幹線燕三条駅からタクシーの方が便利かも)

TVで見たビル、発見するだけで嬉しくなる。それにしても建物の年季の入り具合に、「営業しているとは思わなかった」との地元の方の声も分かる気がする。
駐車中の車は10台程度、ほとんどは県内ナンバーだが、一部に関東の車も。帰省中なのか、それとも私のような物好きなのだろうか。





店内に入る。ゲームセンターには、常連さんぽい老人が数名。メダルゲームや麻雀ゲームに興じている。ガチでドキュメント72時間のとおり。もちろん、ゲーム機は古い。90年代のアーケード機と通信対戦麻雀が混在している。
そしてカップラーメンの自動販売機。残念ながら、そば・うどん機は既に無い。





問題は宿が空いているか否か。ダメ元で店員さん(ゲームセンターと兼任)に聞いてみると、まさかの「空いてますよ」の返事。即、一晩の宿をお願いする。車のナンバーを聞かれ、徒歩だというと驚かれた。住所の確認を求められ、免許証を提示する。

実を言うと、前の週、前日、当日と三度にわたって電話し、一度もつながらなかった。ネットの事前情報では予約でいっぱいのことも多いようで、TVで放映された直後のしかも夏休みに、まさか泊まれるとは思っていなかった。だからこの晩は、実は柏崎か直江津のネットカフェに泊まるつもりでいたのだ。

TVでもやっていたように、ここは素泊まり専門。すぐ隣にラーメン店があるが、コンビニは徒歩で国道沿いを南に歩いて15分程かかる。この場合、1Fのカップラーメンと酒で晩飯にする方が来た甲斐がある。

広い目のユニットバス。ただ、カーテンが無いので、トイレットペーパーがふやけるのではないかと心配になってしまう。
南側の部屋だったので、窓から見える風景は、まさにドキュメント72時間に出てくるとおりの田園風景。









6畳の洋間。郡上をどりの徹夜明けの疲れや、前日もネットカフェ泊であり、ベッドで眠れるだけで有難い。

翌日、始発の越後線に乗るべく朝5時過ぎにチェックアウト。この時点でゲームセンターが営業していたが、既に日の出後だったとはいえ、大丈夫なのか(風営法的に)??

とある弧男の18切符 2015

2015-08-16 20:24:50 | 09 旅・東京
運良く盆休みが取れたので放浪してきた。



今回、ふと思い立って下車印をお願いしてみた。どこの駅員さんもいやな顔一つせずに下車印を押してくださり、旅のいい記念になり感謝している。(私のミスで一部押印が潰れていますが…。下呂の左側の下車印は喜多方です。)
喜多方駅も含め、ほとんどの駅で、きっぷどの辺りの位置に押印するかを訊ねて下さったのもなんだか有難く、そして申し訳ない気分。

ところで、この4日間のJR移動距離を全部足すと、 1,836.0km になった。(移動距離を知るのが目的なので、幹線/地方交通線を問わず、すべて営業キロベースで計算)
実際にはこの4日間、JR以外にも、三セク(長良川鉄道、旧信越本線)やバス(松本~高山間)に乗っている。

もし、一筆書きで 1,836.0km を正規運賃したら、19,000円弱かかる(計算が面倒なので全て幹線と仮定した場合)ようだ。なぜこんなあいまいな書き方をするかというと、なんと、時刻表には1,760km(18,140円)までしか乗っていないのだ。きっと今のJR路線でできる一筆書きの限界なのだろう。
しかし、これだと思ったほど青春18きっぷのお得感が無い気がする。そこで往復乗車区間や三セク分断区間などで切符を分割して買ったとすると(計算が面倒なので、先ほどと同様、幹線/地方交通線を問わずすべて営業キロで計算)、 30,910円 。
私としては、こっちの方が実感に近い。


旅の目的は「郡上をどり(岐阜県郡上市)」と「公楽園(新潟県燕市)」。これについては明日以降。

肥薩線ループ&宗太郎越え

2015-08-10 20:43:15 | 09 旅・東京
炭鉱地区を経て、八代から人吉へ球磨川沿いに上る。両側を山に囲まれ、川と平行して走る。
よく見かける光景かと思ったが、考えてみると中央西線や只見線に近いのかも知れない。


人吉駅着。駅の観光案内を頼りに入った駅最寄の温泉が、実は有形文化財。そして夏目友人帳(読んだことはない)が飾ってあったり、球磨焼酎の試飲ができたり。
前日に入った玉名の温泉もそうだが、九州の温泉は全体に温度が低く、特に夏場はありがたい。洗い場に置いてあった温度計で湯温を測ると39度だった。



そしていざぶろうへ乗車。夏休みの週末にも関わらず、乗客は30人程度、少し寂しい。
大畑駅はGWにバイクで来たが、ここは列車でループするほうが楽しい。後の真幸駅も合わせると、1時間で二度のスイッチバックが味わえる。
肥薩線の建設の歴史(矢立トンネル等)や、終戦直後の事故(トンネル内で機関車が立往生→バック。数十人が下敷きになり犠牲に)など、大変な歴史を感じる。
でも電波は届いている。途中、茂みの中を突っ切るような区間もあるというのに。平行して九州自動車道や国道が走っているせいだろうか。



吉松で乗り換え。鹿児島行きはやとの風が停車している。いざぶろうとデザインが似ている。片方は特急でもう片方は指定席つきの各駅停車。島式ホームの左右に並ぶ2つの車両を写真に取っておけば良かったかも。

延岡からよいよ宗太郎越え。
佐伯~延岡間は、特急が1時間に一往復あるものの、各駅停車は朝夕各二往復の計四往復しかない(昼間は6~7時間空いている)。
延岡で16人乗車、うち7人は宗太郎の手前で下車し、残り9人は佐伯まで完乗。重岡以降で6人乗ってきて、佐伯で降りたのが計15人。途中駅で乗り&降りした人はいなかった。
国道が併走しているにも関わらず、肥薩線と違ってアンテナが立たない。肥薩線以上に遠くに来たと感じさせられる。まるで東京の地下鉄のような、車内のLED表示行き先表示があまりに不自然。DC220系はオーバースペックとしかいいようがない。あと、行き違いでもないのに宗太郎駅で2分停車したり(おかげで写真が取れた)、かと思えば駅間に行き違い設備があって、各駅停車同士のすれ違い(1日四往復しかないのに!)を体験したり、ツッコミには事欠かない。

七夕幻想曲(古い)

2015-07-27 03:00:40 | 09 旅・東京
七夕には時期遅れの話題だが、西宮北口の「珈琲どりーむ」へ行って来た。

高校生が使うには随分と洒落た、昭和さながらの喫茶店。文筆業や編集の人が髪をかきむしりながら長居していてもおかしくない雰囲気。

阪急西宮北口~甲陽線の階層やSOS団の階級を考えれば、敢えてファストフードではないのも納得が行く。

うちわが品切れだったのは残念だが(当たり前だ。無料配布開始して3週間も経っているのだから)、いい雰囲気だ。さすがは阪急神戸線沿線。

11時までモーニング、少しお得。運良く、ぎりぎりモーニングに間に合う。



長居したい気分だったので、というか、甘党なのでチョコパフェを注文する。


オヤジだョ!全員酒豪

2015-07-05 09:28:08 | 09 旅・東京
 約半年ぶりに、怒髪天ライブに行って来た。曲目は新旧問わず、酒をテーマに選んでいる。言ってしまえばこの前出たアルバムの収録局が中心だが、新旧問わずというのが自分には凄く良かった。ブレイクする前の曲も、ここ1~2年の曲もあってよかった。

 「歩き続ける限り」「濁声交響曲」「サムライブルー」を外すという、かなり思い切ったセットリストだった。自分はこの3曲とも大好きだしカラオケでも歌うけれど、それでも、今回のセットリストは良かったと感じている。8月の新アルバムも色々遊び要素が入っているようで、今から楽しみだ。

猫が可愛いなんて誰が言った、青島にて 続

2015-06-13 17:09:22 | 09 旅・東京
日曜日朝6時半、伊予長浜駅着。駅歩1分のひなびた漁港に、青島行きのフェリー乗り場。周辺は、数軒の住宅と10台分程度の駐車場、そしてとある新興宗教の建物。
ちなみに伊予長浜駅は無人駅で、飲み物の自動販売機が一台あるのみ。鉄道も単線非電化の一両編成ばかり(松山と南予を結ぶ特急は、全て内陸の内子線を経由する。)このため、島に渡る際は事前に食糧・水分を買い込んでおかねばならない。

一日二往復するフェリー「あおしま」は、乗客定員34人。ネットにも書いてある通り、島に上陸できるのは34人×2往復=68人/日、ではない。朝上陸した人も、昼過ぎに上陸した人も、ほとんどは、朝ではなく夕方の便へ本土に戻る(逆に言うと、朝の便で本土に行く人はほとんどいないのかもしれない。そういえば、朝、島へ上陸した際も、帰りの便で本土に戻る乗客はいなかったように記憶している)ため、一日の往復可能人数が34名である。

朝の便で確実に島に渡れるよう(昼の便では1時間しか滞在できない。)、出航の一時間半前に到着したはいいが、なんと一番乗り。日曜日だというのに拍子抜け。ひょっとして、既にブームは過ぎたのだろうか。

島自体はそれなりに大きいが、人が歩いて行ける範囲は非常に限られている。
港を中心に、東西で合わせてもせいぜい徒歩15分、1kmあるかないか。背後にはすぐに山が迫っているので、奥行きはほとんどない。

正直言って、8時35分~16時15分の7時間半をこの中で滞在するのは、少なからず暇である。この時間で、私は文庫本を1冊読破した。前日にブックオクで108円の単行本を買っておいて大正解だ。

島に入って初めて知ったのだが、この島は廃墟の巣窟でもある。高台にある二階建て鉄筋の建物はとっくに廃棄されている。部屋に入ると黒板があり、そこで初めて小学校であるとわかる教室の天井には燕が巣を作った形跡。音楽室跡に残された小太鼓には、「昭和42年青島小PTA」の文字。同じく廃棄された日本地図帳には昭和30年代発行とある。廃墟マニアにもお勧め。しかも、その更に上には中学校と思しき建築物。しかし道がない。っていうか、建物自体が緑色に覆われている。まるでラピュタの空中要塞(と言っては言い過ぎか)。結局、歩いて行けたのは小学校まで。

夜の野良猫の生態を見てみたいのであれば、島で一夜を過ごす手もあるかもしれない。ただし、宿はない(商店も自動販売機も無い島である)。また、船は往復で乗船券を販売しているし、船で行き・帰りの人数を管理している(朝の行きの便では乗船名簿への記載あり。夕方の帰り便では、バスガイドさんよろしく人数を数えていた)から、夕方の便で一人足りないとなったら確実にばれるし、翌日帰りの乗船券を買う時に「昨日はどこに泊まった」とかいろいろ聞かれるかも知れない。
言う間でもなく、青島での野宿は歓迎されないだろう。

これだけネットで話題になっているにも関わらず、なんでもすぐに地域振興だとか田舎の活性化に結びつける世の中で、全く商業化されていないことが逆に驚異ですらある。青島には商店や自動販売機の1つもないどころか、伊予長浜駅前や本土の港の待合所にも、青島猫グッズの一つも売っていない(っていうか、それ以前に、朝も、夕方本土に戻ったときも、待合所は開いていなかった。)。

元々青島が長浜町(現:大洲市)とのつながりが深いのだろうと推測するが、地図でみると、青島~長浜、青島~郡中(伊予市中心部)港の距離はほぼ一緒である。長浜が既にさびれていることを考えると、住んでいる老人の利便性を考えても、郡中港発着に切り替えた方がいいようにも思った。(それとも、今も長浜に住む人が、定期的に島に帰っているのだろうか。)いずれにしても、そう遠くない将来、青島は無人化し、まさに猫(と観光客)だけの楽園になるような気がした。

猫が可愛いなんて誰が言った、青島にて

2015-06-11 20:13:16 | 09 旅・東京
猫が可愛いなんて誰が言った。
=====
6月のある日、朝のうち晴れ、昼ごろから曇り。

朝8時半、青島港で出迎えるのは、新聞等の物資を待つ数人の島民と、それを上回る数の、観光客の餌を期待する猫。予想外の出迎えに、年甲斐もなく胸が高鳴る。これから8時間もの間、猫まみれの島に滞在できるのだ。

餌に集まる猫、猫、猫。10匹は下らない。朝、本土のコンビニで買った食パン1斤、猫の餌兼自分の昼食。気が向いたときに、一枚ずつ取り出してはちぎって投げる。その度に猫に囲まれる。狭い島内、そこら中に猫の目が光っている。さすがにコンビニ袋を見ただけで飛びつく猫はいなかったが、私が袋を開けようとすると、その仕種、あるいは音を聞きつけ、どこからともなく寄ってくる。膝に乗り、腕に乗り、コンビニ袋に顔を突っ込む。そしてコンビニ袋に爪を立てる。

餌をねだるとき、猫は目をまんまるに開く。決して人間から目を離さない。猫は、餌ではなく人間の目を見る。よく猫は分かりにくいと言われるが、こと青島の野良猫に限って言えば大嘘である。そして大抵の人間は、そのつぶらな瞳に心奪われ、餌をばら撒く。

猫(仔猫除く)の一日は、眠る、歩く、餌があれば食らう、たまに通りすがりの猫どうし喧嘩する、これで全部。仲睦まじくじゃれ合うのは仔猫だけで、成猫のじゃれ合いは全く見られない。尻の匂いをかぎ合って挨拶する猫さえも一度しか見なかった。さかりのついた野良猫も見たかったが、残念ながらいなかった、6月の今は時期ではなかったか。

幼児が餌をやろうとして猫に取り囲まれ、壁際に追いつめられる。猫が立ち上り、足に貼りつく。幼児大泣き。親は動物との触れ合いを目的に島へ連れてきたのだろうか。きっと猫嫌いのトラウマを負ったのではないか。
…と思ったら、一時間も立たないうちに、「猫ちゃんおいで~」猫じゃらし片手に追いかける。泣いた鬼がもう笑うとはよく言ったものだ。

野生の猫は懐かない。一日のうちで一度として、黙っていても体を摺り寄せてくる猫はいなかった。腹を見せて撫でろと催促してくれる猫もいなかった。
ただ、畳2~3枚程のスペースに、12~3匹の猫が昼寝。昼寝中、背中と眉間は撫で放題、薄く目を開き、もっと撫でろとばかりに再び目を閉じる。一歩も動かないところをみると、決して嫌がってはいないのだろう。

猫が可愛いなんて誰が言った。
まるで昭和のヤンキーよろしく、額と額(ちょうど、撫でてやると猫が喜ぶというあの部分だ)をくっつけて、ひたずらに吠えあう二匹。「ミャー」「ギャー」を数分にわたってエンドレスで繰り返す。一日で10回以上、ガンの飛ばし合いを観察した。
特徴はその終わり方にある。だんだんにお互いの声が小さくなり、少しずつ片方が後ずさる。と思うと、そっとその場を後にする。勝った方は、追いかけることもあれば、そのまま見送って終息する場合もある。猫の喧嘩、ガンの飛ばし合いは、いつも、片方が声をあげなくなってイコール負けて終わる。ちなみに、勝った側が負けた側を追いかけた場合、数メートル~数百メートル離れた先で、再びにらみ合いが始まる、以下エンドレス。ちなみに、猫パンチの飛ばし合いや取っ組み合いは一度もなかった。
この喧嘩を、いつもわずか2~3mの距離で見ていたが、私が音でも立てない限り、猫たちは相手から目を離さない。近くの巨人よりも目の前の仇で精一杯らしい。

青島でもメタボ猫は問題だそうで、餌のやりすぎに対し注意喚起がなされている。ただ、街中の野良猫に比べると、痩せている猫も多いように思う。特に若い猫の場合、胴体を少し強めに撫でるとすぐに骨格・内臓の凸凹が分かってしまい、こっちが慌てて力を緩めることもあった。

触ろうとすると逃げる猫、ずっと触らせてくれる猫、一撫でだけさせてくれるが歩いてどこかに行く猫(意外とこのパターンが多い)、この見極めが全くつかない。性格としか言いようがない。

青島の猫は、100匹とも200匹とも言われるが、明らかに100匹を超えている。200匹と思っていい。
その数に反して、意外なほどに仔猫を見かけない。発見したのは5匹。三つ子一組と双子一組。猫集会からは離れ、何かあれば逃げ込めるように建物際にいる。仔猫たちのくんずほぐれずのじゃれ合いは、我々が猫に抱いているげんそうそのままに、癒しと萌えを与えてくれる。気性の荒い野良猫ばかりの中、この仔たちが唯一の癒し。


結論:
猫は獣(仔猫は除く)、人間に興味を示さない獣、間違っても愛玩動物ではない。
あとカメラを忘れたのは痛恨。でも色々な人がWEBで紹介してるからいいか。

とある弧男の首都放浪 続

2015-05-22 19:50:50 | 09 旅・東京

急用ができて、週末上京してきた。
急用自体は週明けで、土日は東京で過ごすことにした。

何せ一週間前に突如決まったものだから、予定は完全に真っ白。急遽ネット検索し、候補にあがったのは、
 ニャル子さんオールナイト上映会@新宿
 4年ぶりに鉄道博物館@大宮
 怒髪天イベント@渋谷タワレコ
 東京大学五月祭@本郷

結局、ニャル子さんオールナイト上映会と鉄道博物館を選択、そして土日は土曜日は新宿~赤羽、日曜日は新宿~上野をひたすらに歩く。怒髪天イベントも行っておけば良かったかと少し後悔中。

土曜日。まずは早稲田の某油田で昼食、正直言ってたいした量ではない。きっと量を減らしているのだろう。そのあと東十条の昭和なレコード店(敢えてCD店とさえ言わない)。アド街でも紹介されたらしい。


土曜日夜、バルト9にてニャル子さん上映会。初めて松来さんをお見かけする、新井さんは昨年正月のコトブキヤ以来。急用の上京という僥倖に感謝しつつ、あすみんの声に癒される一夜。徹夜明けの新宿御苑も印象的。





二日間通して居酒屋めぐり。
土曜日は赤羽の定番いこい、900円でハイボール2杯とつまみ3品。ちょうど日が沈んだ頃、満員ダークダックス状態。
日曜日は大宮駅東口の駅前大衆食堂。ビール、カツ丼、つまみ少々で1600円。朝から新宿~上野、更に鉄博に3時間もいれば、これくらい食べないと体が持たない。


後はいつもの銭湯めぐり。
土曜日夕方、赤羽のゆートヒア。赤羽駅で降りるのもたぶん初めて。

日曜日朝、御徒町の燕湯。いくらなんでも湯が熱すぎる。観光客の増加に対応するため、長湯ができないようにしているとしか思えない。数ヶ月前に来た際はうめるための水道があったのに。今まで何十回となく立ち寄った銭湯だが、都心部で早朝の銭湯が他にあればいいのにと思わざるを得ない。

月曜日朝、仕事の前に蒲田温泉。水道水を沸かしているのではなく、炭酸の黒湯が沸いている。都区内でこんな温泉があるなんてびっくり。