40歳からの早期リタイヤ計画

一生独身+賃貸暮らし、手取りの半分を貯め続けて早十数年。IDは怒髪天(JAPANESE R&E)から。

とある弧男の18切符 2015 ~郡上八幡・徹夜をどり編

2015-09-06 00:11:21 | 09 旅・東京
ほとんど諦めていた夏休みが取れたのを幸いに、一年ぶりに念願の郡上八幡へ。

普通の(徹夜でない)をどりは去年経験したが、徹夜をどりは今夜が初めて。
15時半の長良川鉄道に乗車。2両編成に数人の浴衣姿、年齢層は高め。関を過ぎたあたりから田舎の気配が漂う。
途中、みなみ温泉駅で下車し汗を流す。意外にも浴衣客は少なく、盆に東京や名古屋から帰省したと思われる(温泉客のほとんどは電車ではなく、車利用のようだ)人々でごった返す、それとも、車でをどりに参加する人たちなのだろうか。おかげで脱衣場が狭い。ちなみに美濃太田で入浴料を聞いたところ、本来600円だが、長良川鉄道利用者は200円。下車時に運転手さん(※注/もちろんワンマン列車)が割引券をくれる。途中下車の割高を相殺しているくらいの勘定。

今日の踊り会場は、城下町プラザではなく、商店街一帯。二昔も前の昭和の商店街、というか恐らくは高山方面へつながる旧国道だったのだろう。数百メートル南を国道が並走しているし。
商店街の中には、コンビニもドラッグストアもない、小さなスーパーがある程度で、後は古びた洋品店や喫茶店、化粧品店など。全国チェーン店は一つもない。土産物屋は意外となく、代わりに靴・下駄屋が多い。長良川鉄道沿いの国道は御多分に漏れずチェーン店が並ぶが、この一帯だけは東京資本が入りこまずにいる。

開始よりも前からかわさきが流れる。うまい人の後ろについて真似てみるが、まるでダメ。
やがて20時。気がつけば、交差点を中心に、道路に沿って十文字型の輪ができた。
見よう見まねで、かわさき、三百、春駒まではなんとか。猫の手はもうダメ。それにしてお、手と足がついてくるにつれ湧き上がる、この高揚感はなんだろう。こんな旅に出た上に文章を書くくらいだから、クラブなんて恐ろしくて行けない。踊ったことがあるのはDDR程度だというのに。






取りあえず、手だけを真似てみる。そして手と足を合わせる。手だけならまだしも、足と一緒となるとなかなか合わない。よく日本は難波走りと言うが、運動会の行進の練習や卒業式で手と足が一緒に出て笑われるとか言うが、郡上をどりに関しては手と足が一緒に出ることが多いように思う。
うまい人ほど2~3重の踊りの内側で踊っている。素人は最外の輪で踊る。あと、踊りがうまい人ほど移動が早い。内側の輪は早く回り、外側の輪はゆっくり回る。踊りが下手だと肩身は狭い。でも、外側で踊るだけなら下手でも困らない。

揃いの浴衣またはTシャツを着た人々、輪の最前列。いわゆる踊り助平。自分のように一人で踊りに来た者からすれば、少々羨ましくもある。参加者は郡上八幡の人ばかりなのか、名古屋の人も多いのか、よく分からない。
さえないおばさんが、キレキレの踊りを見せる。そして向かいあった知り合いと挨拶を交わしているのが地元の踊りっぽい。
コスプレや着ぐるみは少ない、それがいい。アスファルトではなく土の上だったらいいのかもしれないが、贅沢は言えない。何より下駄の音が気持ちいい。

高校の体育祭でやったフォークダンスに近いかも。あるいは小学校の林間学校(キャンプファイヤー)のマイムマイムのような。
あと、民謡って、どうして8拍子とか16表紙とかじゃないんだろう。踊りが13拍や17拍で一周とか笑ってしまう。踊りながら、頭の中でココアが素数を数えている。
というか、我々が普通の邦楽とか洋楽に毒されているだけで、こっちの方が本来の姿なのだろうか。

あと、今回はサンダルで行ったが、やはり下駄の方がいい。それもニセモノの下駄(裏がゴムが貼ってあるやつ)ではなく、ちゃんと歯が二本立っているものの方がいい。地面を蹴って音を鳴らすには下駄に限る。

時折雨が降っては止んでを4~5度繰り返す。プロ野球でも中断に入るであろう強い雨も一度。さすがにほとんどの人は店の軒先で雨が止むのを待つが、中には踊り続ける猛者も。

夜になると人が増えものとばかり思っていたが、夜になればなるほど人は減る。車で来ている人が、疲れて、あるいは雨のせいもあってか、車で帰るのだ。逆に途中参加の人は少ない模様。

帰りの列車、早朝3時半、座席はほぼ満員の約40~50人。関あたりの途中駅で乗ってきた人が一人。そして全員が美濃太田駅で下車。鹿が線路に現れて列車が止まること二度。

その気になれば、盆の土日の丸二日さえ休めれば来れる距離である。来年も来ると思う。遠くへ来た感を味わうにもちょうどいいし、何より東京/全国資本を感じない空間は貴重だと思う。
今年はちょうど猛暑がひと段落した時期+時折雨だから良かったけど(あと一週間早かったら危なかった。熱帯夜の徹夜をどりは翌朝が困る)、みなみ温泉がこの時期、24時間営業してくれればいいのだけれど。昼12時~朝9時とかでもいいから、徹夜明けのをどり客を取り込めばいいのに(200円に割引しなくても、きっと客は来るだろう)。

ちなみに、汗に耐えられず、帰りの電車に乗る前に、郡上八幡駅横の駐輪場でTシャツを脱ぎ捨て、浴衣一枚だけで電車に乗ったのは秘密だ。ノーパンノーブラで電車に乗る羞恥プレイなんて都市伝説を聞くが、ノーパンノーTシャツの乗車はそれなりにスリリングであった(翌朝、電車を乗り継いで某所のスーパー銭湯で着替えた)。

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