「ぐるくん」のひとりごと

大好きな海のこと、沖縄のこと。 また今関心を持っている韓国語の学習、韓ドラ・レビューなど気ままな雑記

<1063>『暴雨前夜;』視聴完了!!

2010年06月01日 | 韓国映画
 『善徳女王』で人気を得たビダム役のキム・ナムギル君の主演した映画『暴風前夜/폭풍전야』を視聴。

 

 撮影は、ビダム役に入る前に終了していた作品だが、ビダム人気が後押しした形で今年4月1日に韓国で公開された。

 名監督として名高いキム・ギドク監督の元で力をつけたチョ・チャンホ監督の作品。

 正直、ぐるくんの苦手分野のとってもメローな作品。

 更に映画のレビューって、ドラマと違って凝縮された空間に流れる意図を汲み取らないといけないし、またその把握は、視聴した各々が自由に発想して構わない訳だから…難しい(-_-;)


 主人公となる男女が、共にエイズに感染罹患すると言うちょっとありえない設定も含めて、とっても重い内容…でも、激しい描写は殆どなく、穏やかでさえあった。

 まさに嵐の前の静けさ…暴風前夜なのかもしれない。


 済州島の海辺に建つ「カフェ・ルート」のオーナー、ミア(ファン・ウスレ)は、マジシャン、サンビョン(チョン・ユンミン)に憧れ、舞台のアシスタントもつとめる。

 

 ある日、サンビョンの相方、音響担当のドラマー、ジノ(ジンホ/オ・ヘソク)とサンビョンの関係を目撃し、ショックを受けたミアは、その動揺する心を抱えたまま、島の銃砲店で銃を購入し、ジノに向ける。

 

 止めるサンビョンにどちらを愛しているのかと問いかけ、揉み合ううち暴発…ジノは即死する。

 余りの事態にパニックを起こしているミアを残し、サンビョンは銃を抱えて自首…収監される。

 

 同じ刑務所には、妻殺しの冤罪を晴らせぬまま終身刑を受けたスインがいた。

 

 面会に来た親友から、妻の浮気相手が教会の神父だった事を知らされるスインは脱獄の手伝いをサンビョンに頼む。

 

 <エイズにかかれば出所ができる>と言う噂話に、監獄内の医務室で治療を受けているサンビョンの点滴の針を抜き、自分に刺す。

 

 

 検査を兼ね病院に移送されたスインは、この機を利用して脱走を果たす。

 親友の助けを得て、真犯人である神父を連れ出し、殴る蹴るして真実を聞き出すけど、鋤を見て走り出した神父は、崖から投身自殺。

 

 

 これで、復讐の対象であり、自分の無罪を証明してくれる唯一の人間を失ったスイン。

 

 生きる目的を失ったスイン…


 刑務所から病院移送される時、サンビョンからミアの消息を知らせて欲しいと頼まれていた。

 「ただ、無事で居るのか?生活してるのか?を見るだけでいいから…それだけでいいから」って。

 

 導かれるように済州島に来たスインは、生きる気を無く、海を見つめる。

 「カフェ・ルート」で今にも海に引き込まれそうな男に気付いたミアだった…


 ミア一人が切り盛りするお店は、シェフが居らずレストランとしては機能していなかった…スイン(腕自慢のシェフだった)は、ここでシェフとして働く事に。

 

 ミアは、人とのかかわりを逃れて、お店の近くの唯一のモーテルに部屋を借り住んでいる。

 スインもその隣室を借りる。

 このモーテルの経営者である目の悪いハルモニ(ペク・ソンヒ)と孫のミンジョン(キム・ジョンミン)は、二人を支えてくれる。

 脱獄囚を追う警察の手を逃れて、スインはある日姿を消す。

 再び一人になったミアは無表情のまま、淡々と日々を送る。

 …11ヵ月後。

 お店の厨房に立っているスインを見て、フリーズしたように立ちすくむミア。

 

 暗い過去と共にエイズを発症するミア。

 妻の裏切り、そして冤罪…そして脱獄囚となって追われる日々のスインも、病魔に侵食されていく。

 未来など描く事も忘れたような男女が、束の間の幸せを感じる時間を紡ぎだす。

 

 

 サンビョンにも手紙で知らせる律儀なスイン…
 
 



 ミアが銃を買った銃砲店の店主、チョssi(ユン・ジェムン)は、以来、ストーカーのようになっていた。

 

 闇に紛れてミアを襲った事もあるこの男、スインの顔写真も載っている警察の広報を片手に、お店に乗り込み、スインの存在を通報する。

 モーテルのハルモニは、奇声をあげて、二人に刑事の到着を知らせ、ミアはマジックで使う箱にスインをかくまう。

 ミアの部屋も調べる刑事たち…マジックの箱も当然、開けられたり、マジックを真似て剣を刺したりするが、スインは見つからず、ひとまず帰って行く刑事たち。

 この一件が、二人の心の鎧をはずす事に…

 映画にラストで、初めて愛を交わす二人。

 翌朝…海辺に立ち、海を眺めているミアの顔は輝いている。

 

 ミアに笑いかけるスイン…

 「目をつぶって…」と言われ目をつぶるスインが目を開いた時には、ミアの姿はなく…彼女の唯一出来る、何もない手から紙吹雪を出すマジックのように、一面に紙吹雪が舞う。

 その中を導かれるように歩き出すスイン…

 


 
 ここまで、厳しい設定だと、かすかな希望も見出せず…涙も出んかった(-_-;)


 撮影は、済州(チェジュ)島の西帰浦(ソギボ)市、大静邑(テジョンウプ)のサンモリ地域で行われた。

 ここに、「カフェ・ルート」のオープンセットを作ったそうだ。

 また、映画全編に流れていたクラッシックのような優美な音楽は、韓国が誇る天才作曲家チ・パク(Ji Bark)ssiが手掛けた。

 美しい風景と音楽と…それに反するような絶望的な現実。

 編集の際、カットになったナムギル君とウスレちゃんのシャワー・シーンもあったようだ。

 

 アダルトな描写は無かったけど、「19禁(日本の18禁)」指定となっている。

 この手の映画を熟知している人なら、もっと細かな心理も汲み取れるのだろうけど…ぐるくんは、お手上げだった。

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