宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

宝満山の峰入り行

2008-05-08 | Weblog
修験道の世界では多くは春秋におこなわれる
峰入りの行こそが道を究める重要行事であり、
信者とのつながりを意識した布教のための
旅の行でもあったようです。

もともと天台宗の中には寺が管理する
山中を中心とした山岳エリアを
行場を辿りながらおこなう回峰行が存在し、
このような密教行事が下敷きとなって
修験道でも祈祷するポイントが定められた
峯をめぐる行が成立していたようです。

宝満山では江戸時代まで「春峰」として
宝満→三郡縦走→久山→犬鳴→
鞍手→吉富→宗像→孔大寺山→
鐘崎織幡宮→新宮→香椎宮→筥崎宮
→博多→福岡城→高宮宮→春日神社
→武蔵寺→五条峰薬師→天満宮→宝満山
(詳細略す)
というルートを約20日間掛けて歩き通す
峰入り行がおこなわれていました。

明治時代になって以降は神仏分離令、
修験道廃止令の施行に伴い
山中から行者達は立ち退きを余儀なくされ
行事も徐々におこなわれなくなりました。

昭和57年の宝満山開祖とされる心蓮上人の
1300年祭を期して山伏の末孫の方々や、
宝満山を修行の場とする方々などによって
宝満山修験会が結成され、
現在では毎年5月の第2日曜日に
市民と一緒に入山する峰入り行が続けられています。

今年の実施は平成20年5月11日(日)午前9時からで
コースは竈門神社→一の鳥居(入峰作法)
→中宮→女道→キャンプセンター(昼食)
→元宝満心蓮上人祠→上宮(解散)となっているようです。

宝満山での峰入りの歴史と概要は
こちら永福院さんの紹介されるHPがお勧めのようです。

http://www1.odn.ne.jp/~cee58490/homan.htm