かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 105

2022-08-03 09:11:24 | 短歌の鑑賞
  2022年度版 渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
    【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆   司会と記録:鹿取未放
  

105 等圧線くにゃくにゃとある妙な天気鯰のあたまのなかの暖冬 

     (レポート)
 104番歌(おんなのこは鮠(はや)男の子は鯰鯰のゆめはどきどきと鮠)で鯰は男の子の喩として詠われているので、男の子の頭の中に、天気図の等圧線が示すような「くにゃくにゃとある妙な天気」のあることが読者には想起され、結句の「暖冬」が一首を決定づけているだろう。「春」ならば単にエロスの春とも思えるが、冬の中の暖かさとあって、そのぽっかりした気分が味わえる。 (真帆)


      (当日意見)
★思春期の男の子の頭の中ってくにゃくにゃしてきっとこんな感じなのね。暖冬がいいで
 すね。(A・K)

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