かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 106

2022-08-04 11:46:23 | 短歌の鑑賞
  2022年度版 渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
    【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:泉真帆   司会と記録:鹿取未放
  

106 菫にだって相撲取草(すもうとりくさ)とう異名がある学校なんか押し出しちゃえ

   (レポート)
 菫に相撲取草という異名があったとは知らなかったので、一首に(興味をもち)引き込まれた。が、一首の眼目はむしろ下の句にあろう。「学校」を相撲の決まり手の一つ〈押し出し〉で倒しちゃえ、と言うのだ。心の中から学校を追い出すのかもしれない。作者の姪子さんや、いたいけな少女を思って詠ったのかもしれない。下の句の大きな飛躍に言い放しの口語が生き生きとする。(真帆)


   (当日意見)
★菫で相撲取りって遊びしたことないですか?むかし、やりましたよ。学校へ行きたがらな
 い子どもに嫌なら行かなくていいんだよ、学校なんか押し出しちゃえって言っているの
 ね。(鹿取)
★ほんとうにこれはうまく歌えている。口語の「押し出しちゃえ」も効いている。てんとう
 むしのところから子どもの歌が続いているんですね。内容の大変なものは、こういうふう
 に歌った方がいいんでしょうね。(A・K)
★菫もカタカナやひらがなではなく漢字にするとか表記も考えられていますよね。ぱっと目
 に飛び込んでくる。(真帆)
★表記は私達もものすごく考えます。漢字とかなのバランスとか。無神経な人もいますけ
 ど。(A・K)


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