かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 361(中欧)

2020-03-04 19:24:21 | 短歌の鑑賞
 馬場あき子の外国詠50(2012年3月実施)
   【中欧を行く 秋天】『世紀』(2001年刊)91頁~
   参加者:N・I、K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、
       T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:崎尾廣子     司会とまとめ:鹿取未放


361 色寒きあしたの風はそら鳴りすハンガリー英雄広場人なく

         (レポート)
 朝まだ人影もなく英雄像のみが立つ広場の、淋しげなむなしげな景が目に浮かぶ。「そら鳴りす」には広場に吹くやや強い風を感じる。初句、3句に胸の内に吹く空しげな風を思う。印象深い一首だ。(崎尾)
  英雄広場:一八九六年、ハンガリー建国1000年を記念して造られた。ブダペスト最大の広
       場。扇状に並んでいる像は歴代国王などハンガリーの英雄達である。台座にはマジ
       ャル族などの部族長の騎馬像が並んでいる。全部で一四体ある。(インターネット)

       (当日意見)
★インターネットではあまりに漠然としているので、Wikipediaとか、もう少し絞った出典を書い
 てください。(鹿取)


        (まとめ)
 朝の人気のない、風だけが吹き抜ける英雄広場の寂しさを詠んでいる。それは並べられている英雄達の過ぎ去った生涯に対する愛惜でもあり、自分が寄ってたつ現代の空しさをも思っているようだ。(鹿取)



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