2025年度版 渡辺松男研究2の9(2018年2月実施)
『泡宇宙の蛙』(1999年)【白鳥】P44~
参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
62 白鳥の鳴くときすこし湯気が立つ今二羽が鳴きふたすじの湯気
(レポート)
白鳥の飛来地は列島の比較的北で、あたりの寒気に鳴き声とともに、湯気がたつ。「すこし」とのとらえ方がつつましい。(慧子)
(当日意見)
★鶴の鳴くのを影像で見たことがあります。寒い地域なので鳴くときボアーと湯気が立つんですね。結句の「ふたすじ」というのがすごく効いていると思いました。湯気は口から出ているのかもしれないし、鳴くときはすごく力が必要で体全体から湯気が立っているのかも知れない。ここで、「ふたすじ」と言われて、口からすーと湯気が立って愛を交わすような感じがして素敵だと思いました。(真帆)
★そうですか、鳴く為には口を開くので現実的には口から湯気が出るのでしょうか。でも、泣くためにはエネルギーを使うので、その放出として頭のてっぺんから湯気が立ってもおかしくないように 思います。二羽が愛を交わすために鳴いているととってもいいとは思うけど、対面して湯気が平行に出ている場合ふたすじって言うかなあ。それとも、湯気は口から出てすぐ直角に曲がって天に向かうのでしょうか?私は向かい合った二羽の頭からそれぞれ一本の湯気が空に向かって立ち昇っている図を想像しました。暖かで漫画チックでユーモラスでいい歌だなあって。(鹿取)
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