2024年度版 渡辺松男研究35(16年2月実施)
【ポケットベル】『寒気氾濫』(1997年)118頁~
参加者:S・I、泉真帆、M・S、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:S・I 司会と記録:鹿取 未放
286 一人のトリックスターさえもなき職場に冷えて例規集読む
(レポート)
秩序や規範によって成り立つ組織である職場にはトリックスターが存在する余地がない、統べるのはただ例規集のみである。私はそれを諦観とした思いで、読んでいる。
トリックスターとは「神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っかき回すいたずら好きとして描かれる人物のこと。善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、全く異なる二面性を併せ持つのが特徴」。(Wikipedia)
トリックスターは既成の常識や秩序が硬直化し、人々を不当に縛るようになっているときには、批判的な威力を発揮して、束縛を解く働きをする。いわば新たな創造性を生み出すための現秩序を破壊する存在である。そのような人物の典型として、神から火を盗んで人間に与えたプロメテウスであり、日本では織田信長などがあげられる。(S・I)
(当日意見)
★何か異議申し立てをしようと思っても、それは許されない。そこで寒々とした気持ち
になっているんだけど、自分を押さえて例規集を読んでいる。(真帆)
★そういう職場で冷え切っていて、仕方なく例規集を読んでいる。(藤本)
★例規集の中から謀反を起こせるチャンスはないかと思っている訳ではないですよね。
(真帆)
★例規集というのは過去の例だから。(藤本)
★過去の例だから、その本に突破口はないでしょうね。(鹿取)
★組織人の一人として例規集は読まざるをえないものです。(S・I)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます