かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  85 

2020-11-11 19:35:23 | 短歌の鑑賞
   ブログ版清見糺の秀歌鑑賞 11 トカトントン                                              鎌倉なぎさの会 報告 鹿取未放


85 コンビニへたばこを買いに出たまんま帰らぬ人にいつかなるらん 

 「帰らぬ人」にいつかなるであろう、というのだが「帰らぬ人」とは出奔することか、それとも死んでしまうことか。
 作者がお気に入りだった演出家の千田是也が煙草を買いに行ったまま出奔したという話を作者から聞いた気がする。あるいは小山田二郎という画家のことか、小山田はラーメンを食べに行くと言って愛人のところに奔り、死ぬまで妻の元へは帰らなかったそうだが、その話も作者から聞いた。小山田二郎は九一年没、千田是也は九四年没、どちらかの死を知っての感慨だったのかも知れない。


           

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