かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 229 中国⑨

2023-04-24 21:59:17 | 短歌の鑑賞
 2023年版 馬場あき子の旅の歌30(2010年9月実施)
    【李将軍の杏】『飛天の道』(2000年刊)180頁
    参加者:N・I、曽我亮子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:曽我 亮子 司会とまとめ:鹿取 未放


229 月牙泉しづかに水は衰へて沙漠は沙漠化を深めてゐたり

     (レポート)(2010年9月)
 月牙泉(敦煌の鳴沙山の谷合に湧く三日月型の泉)は古来、決して枯渇することはないと言われてきた。しかし現在、地球環境の変化に伴いその原泉の地下水も涸れつつあり、少しずつ水量が減ってきている。そして沙漠は渇きを速め、どんどん広がってゆく…。(曽我)
 ■1970年代まで約16000平米あった湖水面積が現在3分
  の1まで減ってきているとのことだ。
  (『シルクロードの光と影』野口信彦)


     (まとめ)(2010年9月)
月牙泉は大切な観光資源なので、現在人工的に維持管理されているようだ。ほっておくと泉は水が涸れて砂で埋まり消滅してしまうのだろう。「沙漠は砂漠化を」という畳みかけにじんわりとした怖さと哀しみが滲む。(鹿取)

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