かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  158

2021-11-10 18:19:36 | 短歌の鑑賞
   ブログ版清見糺鑑賞 24       かりん鎌倉なぎさの会 

158 浜比嘉のうなさかはるか雲裂けてあけもどろの花ひとつ咲く見ゆ
      「かりん」2001年2月号

 沖縄で歌人の仲間の催しがあって出かけたときの作。「浜比嘉」は地名。「うなさか」は、「海境」で広辞苑には「海神の国と人の国とを隔てるという境界」と出ている。ここでは海の遙か向こうの水平線に近い辺りをさすのだろう。「あけもどろ」は土地の言葉で太陽の意、沖縄の歌人仲間から聞いたばかりのめずらしい語を歌にしている。かなたの水平線近く、雲が裂けて太陽が顔を出したという情景に徹したダイナミックな歌である。日の出を歌ったのであろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする