かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  62

2020-10-19 20:42:02 | 短歌の鑑賞
ブログ版 清見糺鑑賞  9    かりん鎌倉なぎさの会

62 忘れいし夢のごとくにあらわれて詩人カストロいまだ偉丈夫(96/1)
                  「かりん」96年1月号

★カストロは当然キューバの革命家カストロだろう。つまり革命家はすべからく詩人な
 のである。初句「忘れいし夢」は、作者の中での幻想だろう。清見氏にもかつては共
 産主義は人を幸せにするという幻想があったのだろう。しかし、考えてみると共産主
 義が悪いのではなく、ロシアなどでも運営する人々が腐ったのだ。(田村)
★はい、フィデル・カストロですね。「1959年のキューバ革命でアメリカ合衆国 
 の事実上の傀儡政権であったフルヘンシオ・バティスタ政権を武力で倒し、キ
 ューバを社会主義国家に変えた。革命によって同国の最高指導者となり、首相
 に就任。」とウィキペディアに出ています。弁護士、社会主義者って出ていま
 すね。過去の英雄のように思っていたが、ある日、テレビにでも映ったのでし
ょうかね。この歌が詠まれたのは96年で、カストロの生年は1926年とあ
 るから当時70歳くらいですね(ちなみに作者の清見は当時60歳)、まだま
 だ偉丈夫だというのだから、リスペクトの 気持ちがあるのでしょうね。
    (鹿取)
       ※カストロは、2011年11月没。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする