Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2024年2月18日(日) [小辺路]伯母子岳・大股ルートは、ほとんど雪なし。小雨の中を歩く!

2024年02月19日 | 山登りの記録
■メイン写真
萱小屋跡。下山時に貴重なお話が聞けた


■今回のコース
大股登山口→萱小屋跡→檜峠→伯母子峠分岐→伯母子岳→(往路を戻る)→大股登山口


熊野古道小辺路の中でも難所といわれた伯母子越。
3年前の6月に同ルートで企画したときは、途中から土砂降りになった。
リベンジすべく、冬季にずらして挑んだのだが、超暖冬のあおりで雪はほとんど
なかったうえに、行程の半分は小雨が降るというコンディション。
展望は期待できないので、コケやキノコに視線を注ぎながら歩いた。



雨具を着こみ、すでに路面が湿っている大股登山口を出発。
大股の集落に入ると、いきなりの急坂だ。



いよいよ山に入ろうとするとき、お地蔵さまなど石仏群がに遭遇。



序盤、萱小屋跡までの登りがとにかくきつい。距離1.4kmの間に標高差約300mを登る。
暑い、暑いと言いながら登る。



萱小屋跡の手前にある古杉。あまたの旅人を見守ってきたことだろう。



萱小屋跡。私有・無番の避難小屋は、休憩や素泊まり等で使わせて頂ける。
小屋の中には薪ストーブがあり、じつに清潔に保たれている。
また、小屋横の水場には缶飲料が無人販売されている。
江戸時代には茶店など5軒の家があったが、昭和61年当時で2棟の廃屋があったと
されている。

登山道は巡礼者が歩きやすいように、幅広で、急登や崖場を避けて作られている。



檜峠に到着。大股~伯母子峠間の中間点である。雪は全然ない。



道は尾根の西側に転じ、緩やかに下っていく。
まるで林道のような広い幅。崩れやすい土壌なのか、度重なる補修の跡と、
さらに崩れかけている様子が痛々しい。



ふたたび登りに転じ、伯母子峠との分岐に到着。
少し広くなっているので、ここで昼食タイム。

山頂まであと600m、直登ルートを選択。
ブナやカエデの、好みの紅葉樹林帯だが、小雨とガスでいまひとつ。
ひたすら山頂を目指した。



山頂も、予想通りのガスの中。
山頂稜線は南風ではあるが、冷たい強風が吹きつけてくる。



体温低下を懸念し、記念写真を撮っただけで、そそくさと山頂をあとにした。



強風に耐えながら、山頂稜線を東へ進む。
稜線の樹木に生えたコケについた水滴が綺麗。
道は雪解けと雨でぬかるみ、非常に滑りやすくなっていた。



シッポゴケか、カモジゴケか、ハート形になっていた。



伯母子峠に到着。避難小屋の扉が壊れていて、開けっ放しになっていた。
中が汚れたり、動物が入ったりすると困るので、石で扉をふさいでおいたが
気休めにすぎない。公衆トイレ小屋は、冬季閉鎖中。小屋の左側にある
簡易トイレは汚いものの、なんとか使えるレベルだったが、やはり扉の
建付けがよくない状態だった。

なお、現在、本来の小辺路ルートは、伯母子峠と上西家跡の北側の間で道が崩落して
おり通行止めだ(復旧未定)。
上西家跡に下りるには、山頂近くに迂回し、尾根筋につけられた迂回路を行く
ことになる。迂回路は一部でヤセ尾根を通るので、気をつけなければならない。



峠から、先ほどの分岐へ向かう道には、かろうじて雪が残っていた。
凍っていなかったので、これもじきに消えてしまうのだろう。

あとは往路を戻り下山する。
ブナの幹を、雨水が伝って流れる"幹流"を観察したり、
ツチグリ、クチベニタケ、ホコリタケの3兄弟をすべて見つけて、指で押さえて
胞子を吐き出させたり、遊びながら下る。

萱小屋に戻ると、長靴をはいた女性が一人、出迎えてくれた。
挨拶をすると、子供時代に、ここに住んでおられたという地元の方だった。
ここでたいへん貴重なお話を聞けた。

当時の母屋では、茶屋を営業し、宿泊の便宜も図っていたとのこと。
幼い頃、ここから片道1時間半かけて大股の小学校に通っていたこと、
奥の沢から約100mくらい、竹の樋で水を引いていたこと、
下の平坦地で田畑をつくっていたこと、母屋のが建っていた位置、
小屋横に置いてある五右衛門風呂は当時のものではなく、当時はコウヤマキで
造った風呂桶を使っていたこと、
どれもこれも、興味深い話ばかりだった。

今でもこうして掃除やいろいろな整備、缶飲料の補充などのために
萱小屋に来ておられるのだが、薪割りなどの作業には、大阪や各地からボランティアで
参加してくれる人たちもいるという。

その他、まだ見つかっていない米国人女性の遭難者の話で、おそらく遭難直前の
タイミングだと思うが、ここで会話を交わし、一緒に写真を撮ったそうで、
その後1か月にわたり、捜索のため来日されていたご家族のことなど
よもやま話を情報交換。
登山ガイド兼山岳ライターの身としては、このお話が最大のご褒美となった。

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