Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

そもそも、「フレー」の意味って!?

2007-11-30 20:13:00 | その他の応援団関連
自称『応援団バカ』の小生でも、実は、あまり不思議に感じることなく使っていたことばがあります。

それは、応援団リーダー部員であれば当然ですし、運動会の応援団員にでも指名されたら必ず一度は発する、エール交換の時の「フレー」ということばです。

当たり前のことを「当たり前」と思っていると、こうなってしまうんですね…。
改めて、nanaponさん『WHYを積み重ねること』の重要さが身に染みます

ところが、10月29日の朝日新聞の「生活」面に、その「フレー」の意味についての諸説が載っていたのです。

興味深かったので、一部引用しながら、話を進めていきましょう


応援団に3年間も身を置きながら、恥ずかしながら感じなかったのに、「フレー」と叫ぶことに『WHY』と感じたのは、なんと…小学生の女の子でした

その女の子は、運動会の応援練習を学校でしてきたらしく、帰宅してから母親にこう語りかけたそうです。

「フレーって、どういう意味?」

何気なく使ってきましたが、この女の子の鋭い指摘に、小生も大変恥ずかしながら、「降参」してしまいました

思えば、小生も現役当時、幹部となり、副団長を拝命しました。
小生が3年間籍を置いた埼玉県立春日部高校応援指導部でも、エール交換は、団長と副団長しか許されません。
特に副団長は、野球の試合なら、7回の時のエール交換のみ、メイン台に上がることが許されます。

ですが、先輩からも特に「フレー」のことばの意味までは聞かされていませんでしたし、ある意味「呪文的」に使っていたと思います。

そこで新聞に目を通すと、小生が籍を置いた春日部高校応援指導部にとっては、「母」のような存在の、慶應義塾大学應援指導部の今年度(平成19年度)の主将である一之瀬 潤 君が、本件の取材に応じていました。

一之瀬君も実は…

「あまり意味は考えていなかった。先輩から、オランダ語と聞いたことはあるが…」

とのことで、現役のリーダー部の主将ですら、深く意味を追求していなかったことが分かります。

そう考えると、やはり女の子の指摘は、鋭いですね。


ちょっと話が逸れますが、記事を拝読して思ったのは、春日部高校応援指導部は、やはり慶應義塾のスタイルで応援活動を進めていることが鮮明になった…ということです。

それは何故か…。

慶應義塾大学應援指導部でも、エール交換で「フレー」と唱えることが許されているのは、主将と副将に限られていると、記事に載っていたからです。
しかも、慶應義塾塾歌と春日部高校校歌のテクとエール交換時のテクは、ほぼ一緒です。
昭和32年から数年にわたり、慶應義塾からコーチを受けた歴史を感じさせる一幕でしたね…。


話を戻しますが、そもそもエール交換は、1905年に早稲田大学が野球チームとして始めて渡米した時に、野球の技術と共に、アメリカの大学スポーツの応援方法である「カレッジエール」を持ち帰ったことに、端を発しているようです。
これは、1931年発行の「六大学野球全集」に記載があるようで、間違いなさそうです。
また、野球体育博物館の学芸員によれば、ボート競技などの応援で、各大学にいた外国人教師が、英米流のエールを教えて、そこから端を発して広まった説もあるようです。

では、肝心の「フレー」の語源って、一体…ということになりますよね。

「フレー」は、英語表記だと「Hurray」または「Hooray」と書くようです。
これには、「やった」とか「万歳」といった意味があるとか。

また、東京大学名誉教授で、『英語語源辞典』(研究社)の編者でもある寺沢 芳雄 先生によると、このことばは、どうも以下のように変遷していったようです。

*************************************

16世紀頃まで、船員達が「帆を巻き上げろ」とか「力を振り絞れ」という意味で、気合の言葉として使用されていた「Huzza」から派生して、それが、「Hurrah(フラー)」から「Hurray」と変形した。
しかし、それはあくまで説であって、人間の唸り声などを言葉にした擬音語・擬声語は、語源を特定するのは困難で、どうも、色々な国言葉から同時に影響を受けた可能性がある。

*************************************

とすると、慶應義塾の主将の一之瀬君が先輩から聞きかじったという、オランダ語は、「色々な国」の言葉の中に入るのか…そこが疑問になってきますよね

そこで、『オックスフォード英語大辞典』を調べると、語源は実に多国籍であることが分かったそうです

その「多国籍」とは、ドイツ、ロシア、スウェーデン、オランダ…と実に多かったそうです

したがって、一之瀬君の「オランダ語説」は、あながち間違ってはいなかったことになりますね

また、アメリカの文化人類学者がモンゴル帝国について描いた『パックス・モンゴリカ』(NHK出版)によれば、「フレー」という歓喜と激励の叫びさえも、ヨーロッパ人は、モンゴル人から借用したそうで、狩猟民族が使っていた言葉がルーツという説もあるそうです。

いずれにしても…

「外国から伝来した、気合を示す擬声語から変形した言葉」

というのが、当たり障りのない正解かもしれません。

なお、未だに応援団内で使われている「ウラー」「オラー」「スラー」「ホア」などの掛け声も、語源は同じようですが、主に、軍隊の中で独自の変遷を遂げたことばのようです。


いやぁ~改めて、勉強になりました


野球の応援などでは欠かせぬ「エール交換」は、語源から…

「お互いの試合に賭ける気合を受け取ってお返しする、神聖な儀式」

と捉えると、とても「崇高」のような気がしますね


追記

今回、取材に応じた慶應義塾大学應援指導部の一之瀬 潤 主将…実は、明治大学応援團に降りかかった「暗い影」を、「対岸の火事」ではなく、我が事のように捉えて、素晴らしい挨拶を、9月頃ホームページ上で公開していました。
それに関して、小生なりに感じたことを後日別に記事をエントリーする予定です。お楽しみに

それと…『応援団に捧げた青春』シリーズも、幹部交代が終わり、夏の野球応援の練習のところ(第19話)で止まったまま、「ペンディング」になっています
こちらもエントリーできるように頑張らなくては…いけませんね

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4 Comments

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今では貴重な財産です。 (おばらあつひろ)
2007-12-23 23:38:48
以前風屋様より飛んできました、オバラでございます。高校時代は応援団…まさに『同業者』でした。

エールはほんの一瞬ですが、それがその場の雰囲気を盛り上げ、多くの声援を呼び起こす。「まだいける、まだやれる…ガンバレ」と、声を張り上げ、ちぎれんばかりに腕や旗を振る。懐かしいですね…。

3年間、そんな日々を過ごしていたためか、卒業してから友人知人、顔見知りが増えました。今では財産です。本気で馬鹿やってよかった…と思っております。

折角なので、拙ブログのブックマークに加えさせていただければと思います。アタシの母校応援団についても、若干触れておりますので、機会があればどうぞ。



返信する
喜んでお受けいたします。 (Dancho)
2007-12-24 01:37:47
おばらあつひろさん、こんばんは。

お互い、「同業者」だったのですね…。
風屋さんのアメフトの応援団募集の記事でピンときましたが…間違いではなかった様です。

お申し出は、快諾です。
素晴らしいご縁を頂いたと思っております。
是非よろしくお願い申し上げます。

趣味の競馬が昨日の『有馬記念』でひと段落しましたので、来年3月下旬までは、応援団ネタも披露していきます。
「同業者」のお立場から、コメントなど頂戴できましたら、幸甚に存じます。

小生の高校の先輩(HN「紫紺の八木崎健児」先輩)は、明治大学応援團で、團長を歴任なさったお方で、『応援団』カテゴリ記事では、ほぼ全てと言ってよいほどコメント欄を通じてご指導いただいております。

このコメント欄が、応援団の在り方を議論する場となれば本望に存じます。

その意味でも、8月31日にエントリーした『暗い影』のその後は、入魂で記事をエントリーする予定です。

暫く猶予いただけましたら幸甚に存じます。

先ずは、コメントを頂戴したことに対し、心より御礼まで。
返信する
一連の騒ぎについて…。 (おばらあつひろ)
2007-12-24 21:34:01
ありがとうございます。

早速ですが、貼らせていただきました。

話は変わりますが、今回の明治大の一件、事態が重くなりつつあるようで…。そうだとするならば、残念でなりません。

大学の応援団は、高校のそれとは比べものにならないほど規律が厳しく、そしてリーダー・幹部の一挙一動が多くの様々な人たちに注目されている存在なのでは、と思います。

それだけに、今回の一連の件は、残念でなりません。大学・高校の違いがあるとはいえ、同じ蛮声を張り上げてきた者として、悔しい思いに駆られます。

一連の件で、「応援団は…」と後ろ指を指されるのかと思うと、本当に悔しいです。もう二度とあってはならない、それだけです。
返信する
心にズッシリくるほどのショック (Dancho)
2007-12-25 20:28:27
おばらあつひろさん、こんばんは。

高校3年間を応援団で過ごした、まさに「一心同体」の身としては、おばらさんも明治の一件は残念でたまらないと、拝察いたします。

小生もまさにそうです。

応援団での3年間の「厳しさ」から培ったものが、今の小生を支えているのですから、今回の報道で応援団という存在そのものが後ろ指を指される事になってしまったら、余計に悲しいですね。

心にズッシリと重たい石を乗せられたほどのショックを受けています。

ですが、悲しんでいる暇はないという気がします。
小生以上に悔しい思いをしているのは、小生の先輩で、今日もコメントを下さった、紫紺の八木崎健児先輩なはずです。
明治の団長を歴任なさったわけですからね…。

大学となると、高校以上に「規律」に厳しいと思いますが、それはおばらさんがご指摘のように、様々な学生スポーツの「縁の下の力持ち」として注目されるがゆえに、そうならざるを得ないのは、必然と理解しています。
高校においてもそうですが、「必要悪」の部分があることは、否定はできないでしょう。
小生も、それは否定するつもりはありません。

ですが、今回のケースは、それがかなり歪曲し、逸脱して理解された結果が招いたことではないかと、小生は推測しています。

とにかく、「応援団の魅力」を小生なりの言葉でブログを通じて伝えて、一人でも…たった一人でも良いので、ご理解していただけるように、記事をエントリーしていく所存です。

おばらさんにも、是非ご協力を頂戴できましたら、まさに千人力万人力です。

応援団に身を投じたものでなければわからない部分もあるはずで、それを上手に伝えるには、多くの「同業者」のお力添えも必要です。

逆風がさらに強くなった気がしますが、気持ちを強く持って、上手にタッグを組んで、応援団の魅力を伝えていきましょう!

まずは、コメントを頂戴したことに対し、心からお礼まで。
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