Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

正解は『夢から醒めた夢』でした

2007-09-04 22:01:37 | 観劇
読者の皆さんにクイズを出した、8月24日に鑑賞したミュージカルは、劇団四季のオリジナル作である『夢から醒めた夢』でした。

記事の写真は、開演前の『ロビー・パフォーマンス』の「足長ピエロ」です。
他にも、小人3名のハンドベル演奏など、開演前の楽しみも盛りだくさんでした。
こうしてこのミュージカルの観客に『夢』を配っているんですね…。

作りとして「ファミリーミュージカル」の範疇に入るので、ストーリーが分かりやすかったです。
(逆に難しかったら、子供達が楽しめないですよね…。)

大学時代の友人で、6月23日にも会った友人(男性ですよ)とも話をした事がありますが、実は、劇団四季のオリジナルミュージカルは、あまり「面白くない」という評判も一部ではある模様ですが、このミュージカルは、大人が観ても、感情移入しやすい内容かな…とは感じました。

ウィキペディアの記事でも紹介されていますが、そのストーリーをここで紹介しておきましょう。

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好奇心溢れる主人公ピコは、「夢の配達人」と出会い、閉演後の遊園地に入り、そこで、交通事故で命を失った幽霊のマコと偶然出会う。
マコは、愛する母が、自分の落命によってお別れも言えなかったことを責めて、食事も摂れず、すさんだ生活をしている事に心を痛め、人間界に戻って母親を慰めるために、1日だけ自分の身代わりになってくれる人を探しに、遊園地をさまよっていた。
そこに、好奇心旺盛のピコがやってきて出会う事で、ピコは冒険心から、マコの身代わりになる事を快諾する。その時に「光の国」へ行ける「真っ白のパスポート」をマコから預かり、「霊界空港」へ向かう。

「霊界空港」には、マコと同じ「光の国」へ行ける「真っ白のパスポート」を持つ戦争などで落命した子供達、患者のために身を捧げて昇天した医師だった老人と、老人の13回忌を済ませて昇天して「霊界空港」で主人と再会した老婦人をはじめ、人間界で少し悪行を働いたために、そのままでは「光の国」へ行けない「グレーのパスポート」を持っていて、そこで働いて空港の役人である、性善説を持つエンジェルと、性悪説を持つ「オネエ言葉」のデビルの恩赦を待つ、いじめを苦に自殺したメソ、家庭を省みずに働き突然死した企業戦士の部長、人情溢れるが喧嘩で刺されて落命したヤクザ、彼女もろとも中央分離帯を乗り越えて交通事故で落命した暴走族など…がいた。

ピコはそういった霊界の人たちと出会う。

翌日は、年に1度の「光の国行き」のロケット707便が飛び立つ日で、そのロケットを見るために、マコから預かった「白いパスポート」の入ったバッグをメソに預けて老夫婦と見学に出かける。
メソはピコのバッグに入っている「白いパスポート」の誘惑に負けて、自分の「グレーのパスポート」とすり換えて707便の搭乗ゲートをくぐってしまう。
見学から戻ったピコは、デビルから素性を怪しまれて自分のバッグからパスポートを堂々と取り出すが、そのパスポートは何と「真っ黒」に変わってしまっていた。
このままではマコが地獄に落ちてしまうと思い込んだピコは気絶するが、老人の介護によって意識を取り戻す。

ピコは、部長、ヤクザ、暴走族が「霊界空港」で恩赦を待つ身の上話を聞き、自身も「霊界空港」にやってきた訳を、空港にいる仲間に打ち明ける。
ピコの事情から、「真っ黒のパスポート」がピコのものではない事を悟った「霊界空港」の仲間達は、バッグを預かったメソに疑念を抱き、デビルがゲートから連れ戻す。
一度使ったパスポートは二度と使えないため、皆でメソを責めるが、ピコはそれに同情し、「霊界空港」に残って部長らと一緒に働くと言い出す。
しかし、誘惑に負けるという罪を悔いたメソはピコを救済して欲しいと「霊界空港」の役人に懇願する。
そんな2人の姿を見た性悪説を持つデビルも心を動かされ、パスポートの再発行を無理やり例外規定を適用して決定する。
しかし、パスポートはマコの具体的な個人情報がなければ再発行ができなく、ピコもそれを知らない事から、「霊界空港」の仲間総出で個人情報の特定を急ぐ。
やがて、マコの個人情報が特定でき、パスポートの再発行が叶ったピコは、メソに送ってもらい、人間界へ急ぎ戻る。

人間界では、すり替わったマコが母との別れを惜しんでいるが、マコの説得で母もマコとの別れを現実のものとして受け入れる。
そしてマコとピコは再び入れ替わり、やがてピコにもマコやメソの姿が見えなくなり、「霊界空港」で出会った仲間達が、みな「光の国」へ旅立てた事を察して喜ぶのであった…。

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改めて思い返すと、このストーリーからは色々なメッセージが隠れていると思います。

志半ばで、罪もない将来ある子供達が、「戦争」の犠牲になることが、どんなに悲惨な事であるか
満足に食事が摂れず、「飢餓」によって命が失われる事の切なさ
生前、どんなことがあっても「生きる」ということに対しては「一生懸命」でなければいけないこと
逆に、「いじめ」によって、他人を死に至らしめる事が、どんなに愚かな事であるか
「企業戦士」といわれるほど働いたとしても、何かが「欠けて」いてはダメで、「トータルバランス」が、実は「いい(良い)加減」であること
ヤクザや暴走族が「真っ黒のパスポート」ではなかったことを考えると、生前、いわゆる「極悪人」であっても、必ずしも心までもが汚れているわけではないということ

その他にもたくさんあると思うのです

10人見たら、10通り以上の解釈が出来そうなミュージカルかなと考えると、重たいですよね。

ですが、このミュージカル…滑稽な部分もあって、深い見方をすれば重い内容であっても、それを和らげ、あくまでもミュージカル自体を楽しめるキャラクターが登場しています。

特にデビルですが、現代を象徴しているキャラクターではないかと感じます。

口調はいわゆる「オネエ言葉」…つまりオカマ口調で、芸能界でも散見されますし、キャラクター的に受けていたりしますよね

口癖で「人間って奴は、てめえの事しか考えていねぇんだよっ」などと言い、性悪説の思想を持ちながらも、実は情に脆く、パスポート再発行を「例外規定」を無理やり持ち出して勝手に決めてしまい、これを「規制緩和ってやつよっ」といって笑い飛ばしてしまっています

憎めないですね

やはり、単に正論を唱えるだけでもダメで、逆に冷めすぎても人情味が欠けて血が通っていない気もしますね…。

「楽しさ」とか「清々しさ」とか「爽やかさ」とかを、より引き立てるためには、「スパイス」みたいなもの(この場合、キャラクター)が必要という事でしょうか

ssayさんが、小生のこのブログのコメント欄で以前、同じコメンテーターの小生が大ファンである振られ飛車さんのコメント内容を引き合いに出し…

『Danchoさんの記事と釣り合いが取れていて、いいスパイスと言いますか、薬味が効いている感じです。』

とコメントなさっていましたが、そういうバランス感覚…重要かもしれませんね

返す返す、考えさせられるミュージカルでした。

観劇がご趣味の読者の皆さん、機会がありましたら、是非御覧になってみてはいかがでしょうか

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