Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

今日から、『第57期 王将戦 第4局』

2008-02-19 20:12:20 | 将棋
先月の17日に開幕した、『第57期 王将戦』。

第1局と第2局は、羽生 善治 王将が勝って、防衛に向け幸先良いスタートを切りましたが、2週間後の第3局は、挑戦者の久保 利明 八段が勝って、本シリーズは、羽生王将から見て2勝1敗となりました。

第2局は、超急戦を羽生王将が新手を繰り出してリードを広げ、そのまま勝った「完勝譜」でしたので、久保八段がこの負けを引きずると、ズルズルと行ってしまいそうでした。
ところが第3局は、久保八段にとっては、やはり得意戦形の四間飛車『藤井システム』を登板させて、羽生王将のやや「指しすぎ」の構想を見事に咎めて、持ち味が存分に発揮された将棋で見事に勝利をもぎ取りました。

久保八段は、戦前に…

「挑戦しただけでは意味がない」

と語って気合いの程を示しましたが、ようやくそれが噛み合った感じですね。
それとも、もしかして序盤の2局は、初めての二日制の将棋に「不慣れ」で、その流れにやや呑まれた格好で落とし、第3局にして、ようやく「慣れた」…のでしょうか

いずれにしても、これでこのシリーズが面白くなってきました

羽生王将は、第4局を制することで、自らに傾きかけた流れを引き戻すと同時に、早くも防衛に王手をかけたいでしょうし、久保八段は、先ずは星勘定をタイに持ち込みたいところでしょう。

そういった両対局者の思惑(本当に)が複雑に絡んだ、本シリーズ中盤のカギを握る第4局が、島根県大田市で、今日から始まりました


本局は、久保八段が後手番ですが、おそらく戦形を決定づけるのは、久保八段の方でしょう。


先手番の羽生王将が、久保八段の選択した戦形にどう対処するのか…第2局のように、新手を繰り出して、周囲をアッと言わせるか…
対する、後手番の久保八段が、後手番のエースである『ゴキゲン中飛車』を、第2局の雪辱を果たす意味でも再登板させるのか…


というところが、ポイントだと思います。


本局は、久保八段が、あくまでも後手番のエースである『ゴキゲン中飛車』を登板させ、先手の羽生王将が丸山 忠久 九段が指したいわゆる『丸山ワクチン』と、佐藤 康光 二冠が放った▲9六歩の『佐藤新手』で対応し、久保八段がその後向かい飛車に転回させました。



図は、先手の羽生王将が玉をそう堅くに囲わないうちから、「開戦」に踏み込んでいった局面(29手目)です。
久保八段も、この一手前の28手目にじっくり考えて△4二金と上がりましたから、その後の…

△2四同歩,▲3一角(これが飛車と金の両取り),△3二飛,▲4二角成,△同飛,▲2四飛

までの進行を、棋譜の解説にもあった通りに読み切っていたと思われます。

結局、羽生王将も長考の末にこの進行通りに指し、久保八段は△1二角としました。

この手が後手にとっての「反撃の一手」になっているのでしょうか
既に中盤戦に入っていると思われますね。



結局1日目は、図のように37手まで進み、後手の久保八段が封じました。
二日制の将棋が初めての久保八段が、4局中3局封じたことになります
これはちょっと小生には意外でしたね(フルセットまでこのシリーズが縺れたとしても、羽生王将が封じる場面が多そうな気が、戦前からしていたので…)。

ここは、第3局に比べると、小生のような入門者には難しいですね

手堅く行けば、△2一歩かな…というのが第一感です。

現時点では、2,3筋で駆け引きがあるでしょうから、3五の地点が「拠点」のような気もします。
だとすれば…△3五銀、あるいは△3五角(これは、ちょっと勿体ないか…)もありそうです。
(△3五角が封じ手だとすると、先日の棋王戦 第1局のような、「空中戦」の力戦模様ですね…。)

ですが、第1局では、大方の予想を覆す封じ手で、久保八段は周囲を驚かせました。
久保八段の36手目の「△1二角」の狙い筋をも見越さないといけませんから、ここは全くと言って良いほど自信がありません…。


第4局を制するのは、自らに傾きかけた流れを、再び引き寄せたいディフェンディング・チャンピオンでしょうか…。
それとも、タイに戻したい挑戦者でしょうか…。

明日の夜には、勝敗が決します

羽生王将が、貫禄を示して、久保八段の挑戦を退け、王位戦では叶わなかった通産タイトル獲得を68期に伸ばせるか…。
それとも久保八段が、王座戦の悔しさを胸に秘め、再び到来したチャンスを活かして初のタイトル奪取に成功するのか…。

本局がこの後、どんな戦い&決着になるのか…非常に楽しみですね

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