押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

中国の大盗賊・完全版 高島俊男著 講談社現代新書 ¥840-

2007-09-12 11:40:39 | 齧り書き
これは本屋の書棚で見つけて、パラパラと読んで、ああ、結構じっくりだったか、衝動買いした。
序章に「盗賊」とはどういうものか、と定義があり、日本語では記述が難しいのだが、英語のbanditが相当する、そうな。高島俊男は中国学者で、中国語が大変堪能である。従って、日本人が安易に漢字を使う事には抵抗があり、当然自分自身の言葉の使い方にも一方ならぬコダワリがある。
飛ばして、第五章のこれぞキワメツケ最後の盗賊皇帝ー毛沢東、がとても面白い、だから衝動買いしたのだ。中国共産党/毛沢東の中国支配は何となくこれまでの中国何千年の歴史の中の一王朝に過ぎない、と言う話が以前からあり、私も何となくそうだなァ、と同調して来ていた。
この第五章の論調は正にこうした考え方に基づいて展開されている。だから私にとっては面白いのだ。その話があれこれの文献、中国語の原典、に基づいて述べられている。
この本は新書版としては300ページを越える大著である。何故そうなったかの経緯があとがきに書かれている。そもそも毛沢東のこの章を書きたかったのだが、書いたら原稿用紙420枚になって、当初の270枚と言う約束を150枚越えてしまい、不承不承縮小した。また、1989年当時は中国共産党/毛沢東をそのような見方をする事自体がとんでもないという時代だったからと言う事情もあって、縮小版の出版に応じたそううな、それが「中国の大盗賊」である。これは読んでいないのだが、著者の気持ちは時代と共に治まらず、今回完全版を、念願かなって、出版した次第。

少し前に周恩来の本を読んだが、基調にはかなり似ていると事がある、と感じた。


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