部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

2014年4月公演◆菅原伝授手習鑑 (三段目-2)

2014-06-18 | 文楽
【茶筅酒の段】

どんどんお話が暗~くなっていく中、唯一ほのぼのとした明るい景色の中での場面。
團七さんの三味線の音も軽やか華やかな賀の祝です。私の好きな場。

ここ、白太夫を千歳さんが語られましたが、千歳さんの白太夫、やり過ぎってくらいの白太夫で。
白太夫の俗っぽさ、普通の爺さんぽさが強く出ていて最初はなんかむずむずしたんですけども、それがいつの間にか自然に思えてきまして。
今ではここのことを思い出す時は千歳さんの声が脳内で鳴り響くまでになってしまいました。
おぢやらしまするぢやなんよへ~~♪ とか。心はべちべち(別々)とか。

そして何回見てもよくわかんないのは、八重がなんで春を誘う約束をしたのにそれも忘れてさっさと自分ひとり来ちゃったのかってこと。
そこ、必ず、「なんでよ!」て思うよね。「お千代様とはよい出会い」とはどの口が言う、って。
「おっちょこちょいの八重」を強調するため?
それとも、八重だけ連れ合いが死んでしまうので特別扱い?
振袖着た娘みたいなのがひとりで出てきた方が舞台がぱぁああっと明るくなるからかな。
なんにしても、私が春だったらもっと嫌味言いますけどね。

服装の乱れは心の乱れ!ちゃらちゃらいつまでも小娘気取りしてるから、いつまでたってもそんなんなんですよ!ちょっとちょっと、なにそのすりこ木の使い方!ああ、ああ、その大根の切り方!
ほんっとに、あなたって人はまったく。洗い物はあなたがぜんぶひとりでやりなさい、そんくらいしてもバチ当たんないわよほんとにもー

…最低でもそのくらいのことは言いたいですね。

玉也さんの白太夫がまた白太夫らしくってとってもよかったです。
私の中ではなんかちょっとイラっとするとこあるんですけど白太夫って。その辺も思った通りの白太夫像で私的にはとても満足でした。
春さん、千代さん、八重さんの3人の嫁女たちも可愛らしく、キャラにぴったりで。

それはそうと、
「なまぬるこい桜丸が顔付き」
「理屈めいた梅王が人相」
「見るからどうやら根性わるそうな松王が面構え」
って父親白太夫はうまい事三つ子の息子たちを評していますが、そこでも松王が気の毒になってねぇ。
兄弟だけでなく父親までも、松王が時平に好んで奉公しているかのような言いぐさ。
そんなわけあるかいな、ですよね。
ああ、孤独な松王よ…

さあ、そんな鬱屈は次の『喧嘩の段』で思いっきりやっちゃって、松王!










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